ドイツ鉄道(DB)の遠距離電車の遅延率は9月に41.6%に上昇(100-58.4%~下図赤線は5分以内で済んでいる割合)した、とドイツメディアで悲しげに報道されています。
https://www.deutschebahn.com/de/konzern/konzernprofil/zahlen_fakten/puenktlichkeitswerte-6878476
ハンブルクでの放火事件などによる遅延多発はDBの責任ではなかったかも知れませんが、長距離電車のダイヤがこんなに乱れるので、乗り継ぎはほとんど計算できませんし、乗車ホームが急に変わったり電車がキャンセルされたりリスクには常に注意しておかなければなりません。
また、この数字の中には運行キャンセル分は含まれていませんので、実態はもっとひどい状況です。
近距離電車を含めた全体(下図)ではそれほど大きな悪化に見えていませんが、日本などと違って6分(赤)または16分(黒)まではそもそも遅延と見做されていない緩い基準であることに注意が必要です。
こういった慢性的電車遅延の原因は、
①投資不足による老朽化/キャパ不足、②人手不足、③環境意識の高まり/格安チケット類に伴う利用増、④放火、銅線ケーブル盗難などの犯罪
などと言われていますが、状況は一向に改善する兆しが見られません。
公共交通機関はグリーントランスフォーメーションの一つの柱ではあるのですが、このような状況で人々が飛行機や車から電車にシフトするのはしんどいのではないかと思います。
ドイツ鉄道の旅客輸送担当取締役は「日本のような正確さは絶対ムリ」と告白しています。逆に言うと、日本の電車の素晴らしさはもっと有難がられてしかるべきなのではないかと思います(決して簡単かつ当たり前に実現できることではないので)。
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