49ユーロで市域公共交通機関が全独で1ヶ月乗り放題となる「Deutschlandticket」が先月導入されてから1ヶ月が経ちましたが、ドイツメディアやSNSでみられる同チケットに対する報道・評価ぶりは以下の通りです。
Deutschlandticket:1ヶ月(歴月単位)49ユーロ(約4,700円)でドイツ全土の地方公共交通機関(バス、市内電車、地下鉄、Sバーン、地方急行電車)が載り放題となる特別切符。ICE、IC、ECなどの長距離電車や1等車は対象外。
- 77%が「満足」と回答しており、全体としてかなり好評。特に通勤者や都市部生活者に高く評価されている。
- 約10百万人が購入。うち70万人はこれまで全く公共交通機関を利用してこなかった人々。
- 但し(少なくともNRW州では)車の渋滞の軽減は観測されていない。交通システム全体の変化(さらには環境への影響)を確認するにはまだ時期尚早。
- 車からのシフトが定着するかどうかは、(価格以外に)電車の運行頻度や接続の改善、遅延や運休の削減などにかかっている。
- 切符購入でほとんどの移動を公共交通機関で済ませられるようになっても、荷物の多い(かつ遠方での)買い物ではまだ車を使うので、車を完全に諦めるわけにはいかない。
- 公共交通機関が遠くて不便な場所に住む人たちからは、当切符は「使えない」「配慮が足りない」と不評。
- 昨年6~8月に導入された9ユーロ切符よりはずっと高いので、年金生活者や低所得者からも「高すぎる」との不満も根強い(せめて25ユーロくらいにならないか)。
- 長距離列車が遅延やドタキャンであてにならないので、49ユーロ切符を持っておくと柔軟な対応(他の電車で乗り継いで目的地を目指す)が可能になる。
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