日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20221114 来年初導入予定の49ユーロ切符(9ユーロ切符の後継)の評判

49 Euro ticket-Everything you need to know - How to Abroad

 

【(前任者)9ユーロ切符 振り返り】

  • 6~8月の3ヶ月間、消費者負担軽減と車⇒電車シフトの一石二鳥をねらって「9ユーロ切符」が導入された。
  • 1ヶ月わずか9ユーロで、全独の短距離および中距離の公共交通機関が乗り放題だったため、ほぼ誰が買ってもおトクな切符だった。52百万人が利用。
  • 3ヶ月の間だけ、インフレを0.4%以上押し下げる効果があった。

20220901 昨日でガソリン減税終了 9ユーロ切符終了と併せて9月ドイツCPIを1%程度押し上げへ - 日独経済日記 (hatenablog.com)

 

【(来年1月以降)49ユーロ切符 概要】

  • 1ヶ月9ユーロではさすがに安すぎる(タダ同然なので財政負担が大変)ということで月 49 ユーロに価格を修正。
  • 来年1月初からの導入を目指しているものの、各種テクニカルな準備(他のチケットの価格や時刻表などの調整・見直し等)に時間がかかるため、導入が遅れる可能性あり。
  • 月49ユーロだと、通常の通勤定期より10~20ユーロ安い程度なので、どれくらいの人たちが利用するか予想がつかない。恐らくインフレ押し下げ効果はわずかにとどまる。

【評判、議論】

  • インフレ/エネルギー負担軽減策と地球温暖化対策を兼ねた施策として、決して悪くはない。
  • 但し、月49ユーロでは本当に支援が必要な貧困層には高すぎて利用しづらい(別途手当てが必要)。
  • 一番得をするのは、中距離電車で全独を旅するようなニッチな人たちで、本来助けるべき貧困層からかけ離れている(全独をカバーしない代わりにもう少し安くした方が良いのではないか)。
  • 電車やバスのキャパシティ拡大投資を併せて実施しないと、再びキャパオーバーになり、かえって電車/バス離れを引き起こしかねない。
  • 49ユーロ切符の導入に当たっては、他の割引チケット類(1日券、家族割引、通勤定期)の価格や現在の運行ダイヤ等を慎重に見直す必要があり、9ユーロ切符の時ほど簡単でない。

 

 ドイツ国内での報道ぶり】


Germany to introduce €49 travel ticket, one-off gas payment – DW – 11/02/2022

 

https://rp-online.de/aufwacher?t=02%3A32