先ほどPwCが「49ユーロ切符」(月49EURで鈍行電車・バス等が全国乗り放題になる格安チケット。今年大人気だった9ユーロ切符の後継。来春4/1か 5/1に開始予定。別称「ドイツ切符」Deutschlandticket)について大変興味深い分析結果を発表していましたので、そのエッセンスを整理してご紹介します。
●調査対象者の41%が「49ユーロチケット」購入意欲あり。
南の州や都市部で購入意欲強い。男女別ではほぼ同率。
●定期を持っていない人の32%、車を持っている人の39%にも購入意欲あり。
年齢別では特に50歳以下で人気。
●価格が安いほど需要は増えるが、
30~50ユーロあたりで運行会社にとっての収入は最大化する。
●想定される問題点と打ち手の方向性
- 大都市中心にキャパ不足の懸念⇒増便、スマート化対応など
- 人手不足⇒公共交通のブランド化、採用手続きの簡素化など
- 収入減&投資/運営コスト増⇒財政支援、民間資金導入など
- 既存運賃体系との整合性⇒この機会に全体を根本的に見直し
なお、49ユーロ切符を来春以降ずっと続けると仮定した場合のインフレ押し下げ効果については、ドイツ連銀が以下のように試算してくれています。
導入月(来年4月か5月):▲0.3%押し下げ
2023年通年:▲0.2%押し下げ、2024年通年:▲0.1%押し下げ
(但し、廃止した場合にはこれらと同程度の反動増が出る点には注意)
Bundesbank-Projektionen: Trotz Energiekrise kein schwerer Wirtschaftseinbruch | Deutsche Bundesbank