日独経済日記

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20230707 ドイツ鉱工業生産、5月も弱含み推移継続

https://tradingeconomics.com/germany/industrial-production-mom

 

先ほどドイツ連邦統計局より5月鉱工業生産データの発表があり、前月比▲0.2%/前年同月比+0.7%と市場予想(前月比フラット)比やや弱めの内容となっていました。

5月は特に医薬品(前月比▲13.1%)とエネルギー(▲7.0%)が軟調でした。

一方、自動車および自動車部品は、前月比+4.9%と好調で、5月の自動車受注好調と整合的内容となっています。

 

ドイツの鉱工業生産データを、季節・カレンダー調整後のインデックスで見ると、下図の通り昨年来ずっとほぼ横ばいが続いています。

今年1~3月(第1四半期)平均値と4~5月(第2四半期)の平均値の比較では、前期比▲0.6%、前年同期比では+1.0%というやや弱めの走りとなっています。

 

但し、製造業の受注残(下図黒線)は月商の7.3か月分と、非常に高水準にあります。コロナ後の需要回復局面で、サプライチェーン障害や人手・資材不足等のため生産が全く追いつかなかったため、結果的に受注残の貯金ができているという格好です。この受注残の貯金のおかげで、この1年くらいは受注(青線)が下向きでも、生産(赤線)はほとんど落ち込まずに済んできました。

製造業の売上(総合:赤、国内:黒、海外:青)も、生産同様ほぼ横ばい(5月はやや上向き)を維持できています。

従って、ドイツの鉱工業生産は期待外れの弱含み推移が続いているとはいえ、急に大きく落ち込むリスクは低いものと思われます。

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