日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230706 ドイツ製造業受注、5月は大幅反動増だが

 

 
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/07/PD23_266_421.html

先ほどドイツ連邦統計局から5月製造業受注データの発表があり、上図の通り、総合(赤)、国内(黒)、海外(青)揃って3~4月の低迷から大幅に反発する格好となっていました。

  • 5月総合実質(価格調整後)前月比+6.4%と市場予想(+1%強)比大幅上振れ
  • 4月も前月比▲0.4⇒+0.2%へと結構な幅で上方修正
  • 特に自動車/自動車部品(前月比 +8.6%)その他の車両<航空機、鉄道、船など>(同+137.1%)が強い(大型受注あり)。
  • 一方、電気機器は▲15.0%と低調。
  • 資本財:前月比+12.0%、中間財:▲1.1%、消費財▲0.8%。
  • 国内受注:+6.2%、海外受注:+6.4%(ユーロ圏外+6.2%/ユーロ圏+6.5%)。

季節調整後のインデックスのトレンドを確認すると、下図の通り、総合、国内、海外(ユーロ圏/ユーロ圏外)ともすべてまだ下向きとなっており、底打ちの兆しはまだ当面確認できそうにない感じになっています。

 

但し、製造業の受注残(下図黒線)は月商の7.3か月分と、非常に高水準にあります。この受注残の貯金のおかげで、この1年くらいは受注(青線)が下向きでも、生産(赤線)はほとんど落ち込まずに済んできました。

 

製造業の売上(総合:赤、国内:黒、海外:青)も、生産同様ほぼ横ばいを維持できています。

 

ちなみにマーケットでは米国市場での慣例に無理やり合わせるような形で、前月比(超短期のモメンタム)に注目しがちですが、日曜や休日の影響が非常に大きいドイツでは、前月比のブレがどうしても大きくなるので、前月比を見てもほとんど意味がありません

市場予想の数字(今回は前月比+1%強)から何パーセントポイントも外れる(今回は約5%ポイント上振れ)ことは頻繁に起こるので、上記のように、インデックスベースのトレンド(3か月移動平均など)でフォローすることを強くお勧めします。