日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230217 ドイツ製造業受注残、昨年末時点で月商の7.4か月分と高水準

 

今朝のドイツ連邦統計局発表によると、昨年12月の製造業受注残(実質/インフレ勘案後)は

  前月比▲0.4%、前年同月比+1.2%(赤:総合、黒:国内、青:海外)

  月商(直近12ケ月平均)の7.4ヶ月分(投資財10.6、中間財3.8、消費財3.4ヶ月分)

と引き続き高水準が維持されていました。


https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/02/PD23_067_421.html

 

 


製造業受注(青)は下図の通り最近非常に冴えない状況が続いているのですが、生産(赤)がほとんど落ちないのは、受注残がこのように積み上がっているためです。コロナからの回復局面で急増した受注に対して、サプライチェーン障害や人手不足などのために生産が追い付かず、図らずして貯金がたまってしまった格好です。ドイツのGDPが思ったほど簡単にマイナスにならない一因にもなっています。

昨年8月に月商の8.0か月だったものが、12月には7.4か月にまで低下してきているわけですが、今程度の受注の弱さなら(大口のキャンセルでも続発しない限り)食いつぶすのは簡単ではなさそうです。

 

受注の冴えない状況が続く限りはこの受注残をチビチビ食いつぶす展開が続くわけですが、年後半あたりに世界経済(例えば以下のグローバルPMI)が底打ちするようであれば、このまま生産レベルをほとんど下げることなく凌ぎ切れるのではないかと思います。