ザポリージャ原子力発電所に関して、ウクライナ側はロシアによって屋根に爆発物に似た装置が設置されてたと主張する一方、ロシア側は、ウクライナが攻撃を計画していると主張しています。同原発を巡る状況についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。
- 同原発を監視しているIAEAからはそのような動きは確認されていないので、両サイドによる情報戦である可能性は高い。
- しかし万一の際には、放射能汚染が近隣諸国に及ぶ可能性が高く、バルト三国やポーランドの危機感は非常に強い。
- ロシア側の目標は、新たな地域を征服することではなく、塹壕や地雷原で南東部の占領地域を何としても守ることにシフトしている。
- その目標達成のためにはダムを破壊するくらいなので、ロシア軍が原発(ザポリージヤ原発は昨年3月以降、ロシアの管理下にある)を破壊する可能性は十分にあると見るべき。
- もし原発がロシアによって破壊されるなら、西側からは非常に厳しい反応が出ることになる。NATOが戦闘に直接関与することはなくても、ロシア領土を攻撃できる兵器をウクライナに提供するようになるくらいのことは十分にありうる。
- ウクライナとドイツの間にはかなり距離があるため、もしウクライナの原発から放射性物質が放出されてから、放射能汚染がドイツに到達するまでには少なくとも1〜2日かかる。
- 最悪の場合、ドイツの農業で飼料と食品の管理が必要となり、場合によっては汚染された製品の販売禁止も必要となるかも知れない。
- しかし避難/外出抑制、ヨウ素剤服用などまで必要になる可能性は低い。
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