ウクライナ南部ヘルソン州でドニプロ川に設置されているカホフカ水力発電所のダムが何者かによって破壊されたため、下流域で大洪水が発生し、数万人の住民が避難を強いられている件についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。
- 今回のダムを含む民生インフラの破壊は明白に戦争犯罪に該当する。
- ウクライナとロシアは、お互いに相手がダムを爆破したと非難している。
- 今のところ誰の仕業か確認は取れていない。
- 専門家の間では、ウクライナからの大規模反攻を妨害するため(人道支援で手間取るうえ、水没で攻めにくくなる。ロシアは他地域に兵力を回せるなどなど)、ロシアの仕業とする見方がほとんど。
- ロシア側がウクライナの大攻勢を前にして、それを何とか遅らせようとパニック的に選択した手段だった可能性もある。
- ウクライナ軍がドニプロ川を渡れなくなるので、ロシア軍の撃退により時間を要することになる可能性が高い。西側諸国の援助継続に忍耐が必要。
- ロシアが占拠しているクリミア半島への水供給が途絶えるので、中長期的にはロシア側へのダメージも小さくない。
- ダムの水位低下による水不足で、20万人に影響が出る可能性がある。
- ウクライナの反攻作戦はある程度変更を強いられるだろうが、(ワグネルの撤収等もあり)ロシア側の劣勢を補うほどの効果はなさそう。
- IAEAによると、ザポロジエ原発への冷却水は当面何とかなるため、原発に差し迫った危険はない模様。
- ベアボック外相は、(誰がやったにせよ)「ウクライナに対する犯罪的な侵略戦争」(つまり根本的にロシア)が原因だ、と非難。
- ショルツ首相は「プーチンの戦争のやり方と合致するもの」と表現。
- ウクライナ、ロシア双方からの要請で、国連安全保障理事会の緊急会合がNYで開かれている。
<日本語報道例>