日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230505 ドイツ3月製造業受注、記録的大幅減

https://tradingeconomics.com/germany/factory-orders

 

先ほどドイツ連邦統計局から3月製造業受注(実質ベース)の発表があり、前月比▲10.7%(市場予想▲2.2%)と過去にあまり例のない大幅減少を記録していました。

主因は、その他運輸機械受注(ウェート4%:船、鉄道、航空機、宇宙船、軍用車両など)の減少で、2月の+55%から▲47.4%と大きく反落しています。自動車関連受注(ウェート28%)も▲12.2%と低調です。

財別にみると、資本財▲14.1%、中間財▲7.5%、消費財+1.2%となっています。

 

国内(黒)は▲6.8%、海外(青)は▲13.3%(ユーロ圏▲10.8%/それ以外▲14.8%)と、ともに大きく落ち込み、総合指数(赤)の水準としても2年ぶりの低水準となっています。

 

週末(特に日曜日)に経済活動が激減するドイツでは、月次のブレが相応に大きいので、3ヶ月くらいの平均で見る必要があります。昨年10-12月と今年1-3月を比べると+0.1%ですので、それほど悲観的になる必要はないと思いますが、4月に反動増がなく、減少モメンタムが続いているようならちょっと心配です。

 

3月4月とドイツ製造業のPMIはかなり軟調ですので、ダウンサイドリスクを警戒しておくべきでしょう。。

https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/85cc18c0f7c34dc1974d558b21a98d97


コロナ以降、生産(赤)がずっと横ばいのため、受注(青、下図では今回の大幅下落は未反映)が多少弱くても受注残(黒)は高水準に積み上がっており、最近やや減り始めているとはいえ、今年2月時点で月商の7.5か月分もありました。

このバックログは今後の生産(ひいてはGDP)のクッションの役割を果たしてくれるものなのですが、数日後に発表される3月分の受注残がどれくらい減っているかに注目したいと思います。