日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230504 本日はドイツの、明後日は日本の「オーバーシュート・デー」

https://www.germanwatch.org/de/overshoot

https://www.footprintnetwork.org/

 

地球資源の限界と有限性を人類にリマインドするため、米NPO:Global Footprint Networkから毎年「アース・オーバーシュート・デー」(その年に使用可能なすべての資源とCO2排出枠を使い果たす日)が発表されています。

本日5月4日はドイツの今年の「オーバーシュート・デー」なので、大きめのニュースになっています(日本は明後日5月6日です)。

 

国際環境NGO「ジャーマンウォッチ」では4月27日に以下のようなプレスリリースを出しています。

  • もし世界中すべての人がドイツ人のように生活していたら、持続可能に使用できる資源とCO2排出枠は、5月4日で使い切ることになる。
  • これは、5月4日 以降、私たちドイツ人は地球生態系からの「借金で」生活するこということを意味する。地球が3つ必要と言い換えてもよい。
  • ドイツはCO2排出削減で結構頑張ってはいるが、これまでの3倍の速さで低下させる必要がある。
  • 以下3つを徹底して、経済を総合的循環型に変える必要がある:
    ①生産に要するエネルギーと原材料の削減
    ②製品の耐久性向上(設計の工夫、修理の権利)
    ③質の高いリサイクル
  • ドイツ政府もEUも、当初は野心的政策を打ち出すものの、現実的な困難さの中で時間の経過とともに腰砕けになってしまっている。
  • 飛行機から鉄道へのシフトを徹底的に進める必要がある。成功のカギは、ヨーロッパ大都市間の直行便拡充・チケット予約簡素化とフライトに対する補助金廃止。
  • 500キロメートル未満のすべてのルートでフライトの必要なく、列車で簡単かつ迅速に移動できるようにすることが重要。
  • 市民一人一人がエコロジカル・フットプリントを減らすための努力を継続することも極めて重要。

www.germanwatch.org

 

ドイツはオーバーシュートデーを2017年4月24日から、2018年は5月2日、2019年は5月3日、2021年は5月5日と、じりじり遅らせることに成功していたのですが、2022年と2023年は5月4日と改善が止まっています。

 

今年の各国のオーバーシュートデーは以下の通り:

ドイツ:5月4日、日本:5月6日、米国3月13日、中国6月2日。

カタールが最も早い2月10日、ジャマイカが最も遅い12月20日

 

なお、この日についてはいろいろな呼び方があるようで、

英語では、Earth Overshoot Day、Ecological Debt Day

ドイツ語では、Erdüberlastungstag、Welterschöpfungstag、Weltüberlastungstag、Ökoschuldentag などと呼ばれています(太字がメジャーなもの)。