日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240103 ドイツ12月雇用統計徹底チェック

tradingeconomics.com

先ほどドイツの12月雇用統計が発表され、季調済失業者数は前月比+5千人と、市場予想(20千人前後)よりややや強い内容となっていました。ちなみに米雇用統計からの連想で、市場の一部ではこちらがヘッドラインであるかのように勘違いされていますが、ドイツでは全く重視されていませんのでご注意ください(季節調整が難しい欧州では前年同期比が重視される)。

 

●失業率スタグフレーション真っ只中の割に失業率の上昇はわずか(大半は2022年6月からのウクライナ難民カウント開始によるもの)。


国際労働機関(ILO)ベースでは超定位安定推移。他国比でもかなりの優等生ぶり(後述)。

 

https://tradingeconomics.com/germany/unemployment-rate

 

 

<以下◆4つはドイツ連邦雇用庁月報より>

https://statistik.arbeitsagentur.de/Statistikdaten/Detail/202312/arbeitsmarktberichte/monatsbericht-monatsbericht/monatsbericht-d-0-202312-pdf.pdf?__blob=publicationFile&v=1

 

◆就業者数~じりじりと上昇し、過去最高水準の更新が続いている。

 

◆操短~低水準ながらも18万人にやや増加。今後の人切りの予兆になりうるので要注視。

 

◆求人数~新規流入(下線)がじりじり減少する中、求人残高(上)もコロナ前をやや下回る水準にまで減少。

 

EU内国際比較ILOベースで3%台は他国比圧倒的に良好な成績。

 

 

●ifo雇用バロメータ~サービス以外不振ながら、そろそろ底打ちの兆し

Grafik: ifo Beschäftigungsbarometer Deutschland, ifo Konjunkturumfragen Dezember 2023

Grafik: ifo Beschäftigungsbarometer nach Wirtschaftsbereich, ifo Konjunkturumfragen Dezember 2023

https://www.ifo.de/en/facts/2023-12-22/ifo-employment-barometer-rises-december-2023

 

●IAB労働市場バロメータ~こちらも上記同様底打ちの兆し(共にドイツ当局が最も重視する雇用先行指標)。新規求人需要が減って失業(橙)者にとっては厳しいが、人手不足は続いているので既存の雇用(緑)はしっかり維持されているというバランス継続。

https://iab.de/daten/iab-arbeitsmarktbarometer/

 

●IAB人手不足度指数~人手不足感は根強いものの、ほぼコロナ前の水準まで緩和。

https://iab.de/daten/arbeitskraefteknappheits-index/

 

●労使間賃金交渉一覧~今年は週休3日制の広がりを要警戒。

 

<ドイツ経済にご関心ある方は、是非こちらもどうぞ>

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