日独経済日記

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20240702 ドイツでゆっくりと進む現金離れ

www.bundesbank.de


ドイツ連銀の報告書「ドイツにおける決済行動 2023年版」(上添リンク)~2023年9~11月、18歳以上のドイツ市民5,698人対象~のエッセンスは以下の通り。

 

●決済件数(左)でも金額(右)でも、前回調査(2021年)比、現金(黄)のシェア減少(▲7%/▲4%)キャッシュレス決済のメインは引き続きデビットカード(紫)だが、携帯決済(青)の増加が目立つ。家賃やサブスクなどの定期的引き落としに使われる口座引き落とし(橙)は、件数が少ない割に金額でのシェアが大きい。日本と違ってクレカ(緑)のシェアは大きくない。

 

●現金での支払いは大半の支払い場所(95%)でまだ許容されているが、役所(右端)では半分程度にまで低下している。


●キャッシュレス決済は支払い場所の81%で可能。受け入れは広がり続けている。


●携帯決済ではアップルペイが1番人気(複数回答で40%が使用)。

 

●キャッシュレス決済の中では引き続きデビットカードが一番人気ながら、携帯決済へのシフトが徐々に進んでいる。

 

●現金を重要と捉えている人は引き続き多い(非常に重要:43%、かなり重要:26%)。特に病気や貧困などのハンデを抱えている人たちにとってより重要。

 

●現金がいずれ日常生活から消えるという予想も多い(7+48%)が、現金を引き続き使いたいと考えている人たちはまだまだ多い(63+10%)。

 

●少しずつではあるが、支店やATMの減少などのため、現金へのアクセスが難しくなりつつある(ATM数は約51千台、前回調査比▲7千台)。

 

●銀行(上二つ)は決済面で信用されている(緑)が、GAFAフィンテックはあまり信用されていない(橙)。

 

●ちなみに本日より、口座番号(IBAN)不要でメアド/携帯番号だけでリアルタイム送金ができる新決済システム「Wero」が稼働を開始している。 

www.tagesschau.de

 

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