ドイツ連銀が、一般市民の啓蒙用に「デジタルユーロ特設サイト」を開設していますのでその内容を簡単にご紹介します。
Digitaler Euro | Deutsche Bundesbank
【デジタルユーロとは】
- 「デジタルユーロ」は、法定通貨ユーロのデジタル版(中央銀行デジタル通貨:CBDC)。デジタルでも現金でも、1ユーロは1ユーロ。
- ユーロ圏の中央銀行によって法定通貨として発行され、すべての国民が現金と同様かつデジタルの形で使用できるようになる。
- 既存の現金がなくなるわけではなく、迅速、簡単かつ安全に使用できる形式の中銀マネーが追加供給される。
- 「デジタルユーロ」は追加の新通貨ではなく、あくまで「新たな革新的支払い手段」。
【デジタルユーロプロジェクト】
- 「デジタルユーロプロジェクト」は2021年7月に発足し、現在は同年10月にスタートした2年間の調査段階(終盤)にある。
- この調査段階では、30人の市場専門家(決済関連専門家、出身母体ではなく個人としての意見を求められる)で構成される市場諮問グループが、デジタルユーロの設計と導入の可能性についてユーロシステム(ECB+ユーロ参加国中銀)に助言する。
- (特にドイツで懸念が根強い)国民のプライバシー保護は最優先事項。
- 現段階での焦点は、ユーザーニーズに沿った機能設計(フォーカス グループの形成、プロトタイプの作成、概念的整理作業など)。
- デジタルユーロは、店頭レジ、ネット販売、個人間、納税など、あらゆる支払いに使用できる必要があるが、まず優先的に導入すべき領域を選定中。
- デジタルユーロが市場に及ぼす潜在的影響も分析中。
- 特に金融システムに悪影響を及ぼさないよう設計することが重要。
- 民間の担い手に対して十分な経済的インセンティブが創出されることも重要(但し簡単ではない)。
- デジタルユーロ導入にあたって必要になる法的枠組みについても欧州関係者と議論中。
【次のステップ】
- 2023年秋の調査段階終了後、ECB理事会はEUや関連各国政府と慎重に協議した上でデジタルユーロの発行に向けてさらなる準備を進めるべきかどうかを決定する。
- 更なる準備を進めるという決定を下した場合、適切なテクノロジ-の選択や商業的取り決めの整備などが進められ、各種実験が開始される。
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