日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230214 フランクフルトのバンカー不足


フランクフルトでのバンカー不足問題について、今朝のフランクフルターアルゲマイネ紙に興味深い解説記事(下添リンク)があったのでそのエッセンスをご紹介します。

www.faz.net

 

BREXIT後、フランクフルトはますます金融センターとして重要になっている(ECBとドイツ連銀もここにある)。

●ドイツの銀行セクターでは雇用が長期的トレンドとして減少している(下図赤線)が、フランクフルトでは逆に増えている(青線)。

  

 

●銀行セクターの従業員数の中でフランクフルトが占めるシェアは、10年前の9%に対して、現在は11%に増えている。今後もフランクフルトへの集中は続く見込み。

●Helaba(州立銀行)の予測によると、来年末までにフランクフルトの銀行部門で 1,000 人の雇用が創出される見込み。

●リテール分野では人員や店舗削減が続いているが、高度なファイナンスやデジタル対応を中心に専門家に対するニーズはどんどん高まっている。

●2030年に必要になる仕事のうち4割は現時点で存在していない(今後新たに生まれる)とも言われている。

●フランクフルトでは人材確保がますます大変になってきている。

●オンライン求人ポータルでは、銀行関連求人広告数が直近 1 年間で6%増加している。

●銀行の人事部は、資格取得、研修、生涯学習支援などにもっと力を入れなければならなくなっている。

●ちなみに銀行の従業員の平均年齢は47歳と、他産業比約5歳高い。

 

<銀行関連統計リンク>

2021年時点で銀行数1,519、支店を含めた事務所数23,231か所(毎年減少中)となっています。

https://www.bundesbank.de/resource/blob/804010/997930f531bca0696ad3094ee42431c6/mL/iv-strukturzahlen-gesamtinstitute-data.pdf