今年のドイツの通年GDPは、最近マイナス圏からの上方修正が相次ぎ、現時点では+0.2%程度の予測が中心になっていますが、以下のドイツ景気先行指標類を見ていると、もう少し上方修正されてくるような気がしています。
①コメルツ銀行のEarlybird景気バロメータ:悪化が止まって底打ち
(短期実質金利、ユーロ実質実効為替レート、PMIなどから合成されたもの)
<掲載しているWirtschaftsWoche誌の解説>
- 実体経済に6~9 か月先行する当バロメーター(1月分)は、2022年4月以来初めて上昇。0.07 ポイントでゼロラインをわずかに上回った。
- 下げ止まりの原因は、世界経済見通しの改善。特にユーロ圏と中国の好転が大きい。
- 提供元コメルツ銀行コメント「ドイツのGDPは、まだ当面マイナスだろうが落ち込み幅は非常に限定的になりそうだ」。
②DIW(ベルリン研)の景気バロメータ:今年1~3月期は前期比+0.3%ペース
(製造業、サービス業、労働市場、金融市場の4要素を独自分析して積み上げたもの)
③ドイツ連銀の週次経済活動指数(WAI):3m/3mで+0.2%ペースまで回復
(電力消費、トラック輸送、フライト数、町の人出、特定ワードグーグル検索、
大気汚染度合い、クレカ決済などから推計したもの)
https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex
④ドイツ経済省のGDPナウキャスト:今年1~3月期は前期比+0.4%(但し悪化中)
(入手可能な統計ハードデータ主体の正攻法的ナウキャスト)
ちなみに、ドイツ3大景気先行指標(ifo、PMI、ZEW)も足元揃って上向きです。
(赤:ZEW期待、緑:ifo期待、青:総合PMI)
こういうのが出てくるといよいよ危ないのでしょうが、一般向け経済誌(フォークス・マネー)がDAX18000(現在15400)などと言い出しています。