日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20211217 ドイツ連銀のドイツ経済予測アップデート

毎年6月と12月の年2回アップデートされるドイツ連銀のドイツ経済予測が本日発表されました。2021年から2024年までの中期予測となっています。

Bundesbank-Projektionen: Aufschwung verschiebt sich etwas | Deutsche Bundesbank

 

実質GDPの推移の予想は以下の通り:

  • 2021年のQ4(来年1/31発表予定)は前期比小幅マイナスで今年は+2.5%の着地
  • 2022年はリベンジ消費が出るので+4.2%と強め
  • 2023年はサプライ障害が解消し+3.2%と強め
  • 2024年は平常に戻り、潜在成長率並みの+0.9% となっています。

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注目のインフレについては、2021年+3.2%、2022年+3.6%、2023年+2.2%、2024年+2.2%という予想になっています。

エネルギーによる押し上げ(青棒)は来年まで続き、2023年以降についても、3%超の強めの賃上げ、ユーロ安の効果、気候変動対策対応によるコスト高、等の影響もあって、+2.0%以上に高止まる、という分析です。

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ECBの金融政策はユーロ圏全体を見た上で決められるべきものなので、ドイツだけの都合を押し付けるわけにいきません。

しかしドイツの立場からすると、今年も含めて4年間もの長期にわたり、目標を上回るインフレ率がこうやって続くことが判っているにもかかわらず、異常なマイナス金利政策をECBがのんびりと続けている(来年利上げなしと今宣言してしまっている)ことはとても我慢できない、ということになります。

ドイツ連銀のヴァイトマン総裁は今月をもって任期途上で事実上の抗議辞任(後任は未定)ということになっていますが、その気持ちもよく分かります。