日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220106 ドイツの2021年通年のインフレ率は+3.1%で着地見込み

本日ドイツの12月CPI速報が発表され、前月比+0.5%、前年比+5.3%と上昇が加速していました。これは1992年6月以来の高水準です。いつまでたっても鈍化しない前月比の強い伸びが何とも気がかりです。

12月分のイメージがつかめたので、2021年通年は+3.1%という着地になる見込みです。

Inflationsrate im Dezember 2021 voraussichtlich +5,3 % - Statistisches Bundesamt (destatis.de)

 

今回とインフレが同水準だった1992年当時、10年物ドイツ国債利回りは8%をつけていましたが、本日のそれは▲0.065%というマイナス金利です。ドイツ人の肌感覚としては全く理解不能な状況と言えるでしょう。

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ドイツ主要メディアは昨年後半あたりから厳しいECB批判を繰り返していますし、ドイツの労組は、コロナ危機を生き残った企業に対し、これまでの購買力喪失分を取り返すべく、非常に高い賃上げ要求を繰り返しています(例:ポストバンクに対して+6%の賃上げ要求など)。

 

ヴァイトマン前ドイツ連銀総裁は、表面上は「一身上の都合」としながらも、事実上の抗議辞任を断行しましたが、今やユーロ3ヶ月物金利のプラ転タイミングは、2023年8月頃と、かなり前倒しされてきました。ヴァイトマン氏が捨て身で表現した強い願いがここにきてようやく実現しつつあるのではないかと感じているのは、私だけではないような気がしています。

Three Month Euribor Futures | ICE (theice.com)