Inflationsrate im April 2023 bei +7,2 % - Statistisches Bundesamt (destatis.de)
先ほどドイツ4月インフレ(前月比+0.4%、前年同月比+7.2%)の品目別明細が発表されたので、私たちの日常生活で肌身に染みる食品価格の上がり具合を軽く調べてみました。
●食品全体としては、コロナ前(3年前)から累計で3割程度値上がりしているわけですが、食品の品目別でこの1年特に大きく値上がりしているのは、以下4つです。
①青:乳製品(前年同期比+34.8%)、②橙:パン・穀類(同+21.3%)、
③灰:魚・魚介類(同+19.7%)、④黄:砂糖、ジャム、蜂蜜等(同+19.6%)
●肉類の中で比べると、相対的に安価な鶏肉(橙)の値上がりがきつくなっています(コロナ前の約4割増)。
●他の主要品目についてはこんな感じです:
黄色:野菜類~気候などの影響で上げ下げを繰り返しつつコロナ前比3割程度上昇
青色:果物類~コロナ前比(3年超)で1割程度の上昇で済んでいる
水色:サラダ油~ウクライナ戦争の影響で2倍以上に急騰したが、
最近はやや値下がりし始めている
緑色:パン~コンスタントに上昇が続いている
灰色:コーヒー~年初来やや低下に転じている
なお、インフレヘッドラインの+7.2%は、ドイツの歴史上かなりの高水準で、多少ピークアウト気味とはいえ、市民の痛みと怒りは凄まじいものとなっています。
なお、ドイツのインフレ指標についてはこちらの通り、基準年が2020年だとコロナ影響でウェートが歪んでいる、という問題がありますので。。。。
20230222 ドイツインフレ指標のウェート問題 - 日独経済日記 (hatenablog.com)
マーケット関係者としては、ユーロ圏共通でECBが使っているHICPの前月比(4月+0.6%、前年同月比は+7.6%)を重視した方が良いと思います。
また、次回5月分のドイツインフレ統計前月比は、「49ユーロチケット」導入のおかげで▲0.3%程度押し下げられます。多少下がっても、ECBの利上げが奏功してインフレ退治がうまく行き始めているということを意味しているわけではないので注意が必要です。
20230502 全独乗り放題49ユーロ切符についてのドイツメディアの報道ぶり - 日独経済日記 (hatenablog.com)
<個別品目 前年同月比 価格上昇率一覧>