日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240214 ドイツの貿易相手国トップ、米国が中国に肉薄

<2023年 ドイツ貿易相手国 ランキング>

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/02/PD24_056_51.html

 

今朝ドイツ連邦統計局から発表された2023年国別貿易統計速報(上リンク)を集計したところ、ドイツと中国の間の貿易額(輸出+輸入)は前年比▲15.5%と激減し、米国がほぼ同額(前年比+1.1%)でトップに肉薄していることが判明しました。

中国は8年連続でドイツの貿易相手国トップの座を守りましたが、今年は米国に抜かれる可能性が高くなっています。

トップ10の顔ぶれはほぼ同じですが、昨年11位の英国がベルギーと入れ替わりで9位に食い込んでいます(ベルギーは11位に転落)。BREXIT後の英国の地位低下にようやく歯止めがかかりつつある感じです。

ドイツの貿易における中国の支配的な地位が崩れつつある原因は、
中国経済の減速(不動産バブル崩壊、消費/投資低迷)と
地政学リスク対応(デカップリング/デリスキング)にあるものと思われ、
①は対中輸出の急減(前年比▲8.8%)、②は輸入の急減(前年比▲19.2%)に顕在化しています。 

また、ドイツの一部グローバル大企業(VW、BASFなど)は、②への備えとして、中国市場向け商品の生産を中国内で完結する形での再編を進めており、両国間を行き来する貿易量の減少の一因となっています。

なお、ドイツで最も重要な輸出相手国は、2015年以来ずっと米国となっています。

 

 

<2022年確報> ~2023年分は今秋発表予定

 

<機械の輸出相手国ランキング(2023年)> ~中国のシェアは輸出入とも9%

https://vdma.org/documents/34570/4802302/Deutschland_Maschinenaussenhandel_2023_12.pdf/3552844a-fa86-2642-480d-290b0c686530?t=1707911047991

 

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