本日、ケルン研(IW、経営者団体系)が最近のドイツの対中貿易を分析したレポートを発表していますので、以下そのエッセンスを抽出しておきます。
●2022年のドイツの対中貿易:中国向け輸出(青)は3%しか増加しなかったが、輸入(赤)は34%も増加。その結果対中貿易赤字は凄まじく拡大。
●2023年第1四半期は、輸出▲12%超、輸入は約▲10%と共に減少。
●2023年第1四半期のEU主要国からの対中輸出(全体では前年同期比+2.8%)は、下図下のアイルランド、オーストリア、ドイツで大きく減少。イタリア、ベルギー、オランダ、フランス、スペイン、フィンランド、スウェーデン、デンマークでは増加。
●ドイツの輸入品に占める中国の割合は、金額、重量の両面で大幅増。
●2021年時点で対中依存度が高かった品目の大半で2022年もそのまま高い依存度が維持されており、中国依存度引き下げはあまり進んでいないと評価できる。
<調達の8割を中国に依存している主な商品群(上から順に)>
- ポータブルコンピュータ(画面、キーボードを有する中央装置) (11997)
- 永久金属磁石 (716)
- 入力装置または出力装置用キーボード (383)
- ビタミンCおよびその誘導体 (104)
- 未加工マグネシウム、マグネシウム<99,8GHT> (87)
- カフェイン及びその塩類 (74)
- ホスフィン酸塩及びホスホン酸塩 (71)
- 家庭用電気パントースター (68)
- ローラースケート(ブーツを含む) (52)
- 時計付きラジオ受信機(電子式) (33)
- 目覚まし時計(電気式) (27)
- 電気加熱装置付き毛布
- 鉄または非合金鋼のその他の形状のもの 未加工のもの
- ジクロロトリフルオロエタン (12)
- マロニル尿素(バルビツール酸)およびその塩 (12)
- 亜鉛-炭素乾電池、電圧 5.5-6.5V (8.1)
- ゲルマニウム(粗製)、ゲルマニウムの粉末 (3.3)
- オクタン-2-オール (1.9)
- フェニル酢酸及びその塩 (1.4)
- セリウム、ランタン、プラセオ、ネオジム、サマリウム>=95GHT (0.8)
●2023年Q1に対中輸入で増減した品目(寄与度)。
減少:有機原料(▲6.1%)、データ処理機器(▲3.6%)、その他化学製品(▲2.1%)
増加:バッテリー(+3.1%)、車・部品・モーター(+2.0%)、通信機器(+1.5%)
<ドイツ対中戦略関連>