先ほどドイツ連邦統計局から1月貿易統計が発表され、輸出が前年同月比+8.6%と大きく回復(輸入は+5.2%)していたため、下図青線の通り、一時縮小継続が懸念されていた貿易黒字もぐっと持ち直してきました。
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/03/PD23_083_51.html
ifo輸出期待(青)、コンテナ物流量(赤)を見ると、この先どんどん伸びるという感じではないものの、大きく悪化することはなさそうです。
但し、対中依存度の一つの指標である対中貿易赤字は1月も拡大が続いていました。
<速報値ベース 1月分の比較>
対中輸出: 72.7億EUR(▲8.2%)
対中輸入:142.6億EUR(▲2.8%)
下図は12月までのものですが、中国向け輸出(点線)近年ほとんど伸びない一方で、中国からの輸入(実線)は2021年あたりから急増しています。
ドイツから中国向けの輸出では、機械、車、電機、化学製品などが中心、
中国からドイツへの輸入では、電機、繊維/衣類、機械、化学製品が中心ですが、
万一の際には、特にレアアース、電池、太陽光パネルでドイツが困ると言われています。
ちなみにドイツとの貿易総量(輸出+輸入)では昨年中国がダントツのトップ(①中国:2979億EUR、②米国:2478億EUR、③オランダ:2336億EUR)です。