日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240329 週末のBloombergより

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◆医療テクノロジーの飛躍的進歩(がんや肥満の治療薬など)で長寿リスク(年金生活入りで貧困に陥るなど)が恐ろしく急速に高まっている。
◆米国を含む多くの国では、昔の人口動態や平均寿命をべースとする古い年金制度が維持されており、このままでは財政がとても持たない。
◆より長く働くようにする、退職後に備えて自分でしっかり投資する、新たな時代に適応するためのインフラ(デジタル化、脱炭素など)を整備する、などについて、今すぐ国民的議論が必要。
◆すでに米政府債務は危険なくらいに膨れ上がっており、このまま利払い負担で雪だるま式に増え続ければ、民間資本をクラウドアウトして金利高止まりが定着し、さらなる財政悪化を招くという悪循環に陥る。
◆民間資本市場が他のどの地域よりも高度に発達している米国で、民間資本をフル活用したインフラ整備を進め、財政の負担を軽減しつつ、社会的に優先度の高い分野への迅速かつ効率的な投資を実現すべき。
◆特定産業に安易な補助金をばら撒くのではなく、脱炭素や国防など、重要かつそれだけでは採算が取りにくい重要な基礎研究にこそカネを注ぎ込むべき。それらは民間実務での応用段階で回収できる。
◆法人減税は投資誘発にかなり有効だが、関税などの保護主義政策を並行して発動すると、その効果が大きく損なわれてしまう。
自由貿易と米国への投資呼び込みは米国の経済成長にとって非常に重要で、その経済成長が財政健全化(税収増、債務比率引き下げ)に直結する。
◆株価は今の所非常に順調に上昇しているが、将来起こりうる地政学リスクの深刻さを織り込んでいるように見えない。中長期的地政学リスクへの懸念でビジネスが制約されつつあるTikTokと同じ運命を辿る可能性がある。
地政学リスクに対処するには、①近年の常識を捨てて歴史から徹底的に学ぶことと、②リスクを徹底的に分散すること以外にない
◆米大企業のCEOたちは、当面半年程度の売上、投資、雇用に強気で楽観的だが、将来の税制(2025年にはトランプ減税が期限を迎える)、通商政策・関税、反トラスト・環境規制には強い懸念と不満を抱いている。
◆米企業の目から米財政を見ると、企業の税負担は国際競争上不利なくらいに重く、問題は放漫な歳出サイドにある。
◆全世界に対する一律10%(対中では60%以上)の関税は、米企業だけでなく米国民全体が負担する重税になる。そのような誤った政策が実現しないことを米ビジネス界として切に願っている。
アイビーリーグのトップ大学は学生全体の1%しか占めていない。それらは何かと話題になりやすいが、米国高等教育全体の話と誤解すべきでない。他の大きな公立大学の状況などを冷静に見るべき。

 

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