Kurzbericht: Konjunkturlage | Deutsche Bundesbank
本日発表されたドイツ連銀7月月報の「Kurzbericht」部分のエッセンスは以下の通り:
- ドイツ経済回復への期待は最近の統計の弱さで裏切られている。
- 第2四半期のGDPはわずかな増加にとどまり、第3四半期はやや加速と予想。
- 足元の景気の走りは、6月時点の想定(下添)を下回っている。
- 製造業の受注(下)と生産(上)は予想外の低迷が続き、期待外れ(但し、車とエネルギー集約型産業は善戦)。
- サービスや個人消費についてのQ2のデータはまだほとんど出ていないが、サーベイ類(例えば下添サービス業PMI)を見る限り比較的しっかりしており、ドイツ経済を支えている。
- 経済の低迷と移民の増加により、雇用者数(左)と失業率(右)の両方が上昇している。先行指標(IAB、ifo)はこのような状態の継続を示唆。
- エネルギー価格は最近やや上昇。ベーシス効果のお陰で前年同月比は上昇しにくくなっているものの、インフレは今後これ以上あまり下がらない見込み。
- 労働市場は依然として稼働率が高く、賃金の伸びは旺盛で、物価は特にサービス部門で大幅に上昇している。インフレリスクは供給サイドでも幅を利かせている。
- このため、追加利下げの可能性については、現在のデータに照らして慎重に検討する必要がある。
【関連のご参考①】ドイツのHICPは、前月比+0.3%が続いても、ベーシス効果のお陰で前年同月比は当面横ばいに見える(オレンジ色の線)。
【関連のご参考②】ドイツ連銀のナーゲル総裁はECB理事会メンバーの中で最もタカ的人物の一人。ドイツ人はとにかくインフレと放漫財政が大嫌い。
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