欧州中央銀行(ECB)のドイツ担当支店であるドイツ連銀(Deutsche Bundesbank)が毎月20日頃に発表している月報(Monatsbericht)の経済分析部分(Kurzberichte/Konjunkturlage)のエッセンスを以下まとめておきます。
- 2024年第1四半期GDPは良くて前期比横ばい(マイナス継続可能性大)
- 外需が弱く、金利/借入コストの上昇が住宅建設を中心に投資を圧迫し、財政政策や気候変動政策の先行き不透明感が経済への重しになっている
- 労働市場は引き続きタイトで、賃金は上昇/インフレは低下(実質購買力は上昇)しているが、消費者は依然として支出に慎重
- 冬場の悪天候による建設活動低迷、インフルエンザなどの大流行による病欠多発も経済に逆風
- コロナ後に積み上がった高水準の受注残にもかかわらず、生産は低迷
- 外需の不振が底打ち/改善に向かう兆しはまだ見られず、ifo景況指数も弱い
- 今のところ昨年12/15に発表した半期経済予測での想定より弱い走りとなっており、GDPの前期比プラス転換は後ズレしそう
- 川上の輸入物価、生産者物価はインフレ押し下げ圧力になっている
- インフレ率が前年同月比で今後大きく低下して見えるのはベース効果(比較対象の前年分が高かった)のせい
<経済データ総括表>
<ifoCAST>
ifo経済研究所のGDPナウキャストはQ1前期比▲0.2%を示唆(今回からマイナス圏に下振れ)。
<ドイツ連銀月報 日本語報道例>
<日独経済日記動画>