ドイツでもいよいよ1日の感染者数が20万人を超えてきたので、リスク管理上重要なポイントを確認しておきます。
ドイツ国立感染研究所(RKI)の日報のヘッドライン(英語版)がこちらです。重視すべきモニタリング対象データが一覧できるようになっています。
サマリーコメントはこんな感じ(ほぼ定型)です:
1日の新規感染者数(左上)が203,136人と過去最高を記録し、7日間指数(その右隣、人口10万人当たり直近1週間の新規感染者数)が1,017.4となっていますので、1週間に約1%の人が感染しているペースということになります。死者は188人なので、新規感染者数と比べるとかなり低く抑えられています。
右下にはワクチン接種進捗率(人口比%)が示されており、N1(1回以上接種、そもそもワクチンを打つ気のある人がシェアであり、最重要)が75.6%(最近頭打ち)、N2(ワクチン2回接種完了)が73.7%、N3(ブースターまで完了)が51.7%(比較的高率)となっています。
ドイツでの今回(オミクロン流行)のピークは2月半ば頃と予想されていますが、ここからその2~3週間、医療キャパが大丈夫かどうかが非常に重要なポイントとなります。
上記の日報ヘッドラインでは濃い青の部分が全独(マクロ)ベースの医療キャパ指標で、上から順に集中治療室(ICU)の患者数2,363人、前日比▲33人(最近どんどん減っている)、すぐ稼働可能な重症病床のうちコロナ患者の占める割合が10.5%、新たに重症病床に運び込まれた人数が203人(上記▲33人は、退院者と死者の合計がこれより33人多かったということを示す)となっています。
医療キャパについては「自分のいる町は大丈夫か」というミクロベースで見ておかないと、自分や同僚の命を守るという観点では意味がありませんので、そんな時はこちら(DIVIダッシュボード)のチェックをお勧めします。
Dashboard DIVI-Intensivregister Germany (arcgis.com)
オミクロン急拡大で先行しているブレーメンを例に見てみましょう。
ブレーメン(上から3番目の橙線)ではいち早く感染が急拡大し、他州より先にピークアウトを迎えようとしています。
DIVIダッシュボード右上のタブでブレーメン州(さらにその下の市町村まで選べる)を選ぶと、医療キャパがタイトであることを示す赤旗(左)がついており、重症病床156のうち145(うちコロナ患者20人、うち人工呼吸12人)が埋まっているということが読み取れます。
7日間指数が1,500近くの水準が2週間続いてもこれで凌げているということは朗報と思います。
今後感染が再加速するような展開になるとやや不安ですが、ブレーメン州の重症患者の時系列推移をみると、昨年冬のピーク時の半分くらいで済んでいますので、その点からも相応に余力はありそうだと判断できます。