日独経済日記

「毎日がうまくいく366のヒント」の訳者:今のドイツのリアルをお届けします

20260313 イラン戦争のドイツ経済への影響と欧州の不安

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【今回のポイント】
・トランプの“場当たり的な戦争運営”に募る欧州の不安
・海外から見て、ドイツ投資先はエネルギー・デジタル
・イラン戦争によるエネルギー危機、化学・鉄鋼に痛手

  1. イラン戦争に対する欧州の不安と不満:
     イラン戦争が長期化する中、トランプ政権の場当たり的な戦争運営が限界を露呈している。大統領は「勝った」と強調する一方、側近は「戦いは始まったばかり」と発言し、米国の戦略は一貫性を欠く。ノーベル経済学者スティグリッツが「世界経済に手榴弾を投げ込んだ」と評したように、原油高騰と市場の混乱は深刻だ。エネルギー供給不安が高まるほど、ロシアや中国が地政学的に優位に立ち、欧州は米国の不確実性に振り回されている。ドイツ政府は「短期停戦」か「米国の混乱した撤退」という二つのシナリオを想定するが、いずれも欧州経済と安全保障に大きな影響を及ぼす。戦争の行方だけでなく、米国の指導力そのものが問われる局面に入ったと言える。(欧州には下図のように、危険な火遊び以外の何物でもない)

  2. ドイツは依然「安定した投資先」?
     イラン戦争による世界的な不確実性とエネルギー価格の高騰が続くなか、ドイツは依然として「安定した投資先」として国際投資家の関心を集めている。カナダや米国、アジアの年金基金や政府系ファンドからは、ネットワーク整備、電化、エネルギーインフラ、AI、データセンターといった分野への投資相談が増加しているという。一方で、許認可の遅さ、官僚主義、高いエネルギー価格、労働市場の硬直性といった“ドイツの弱点”も依然として投資判断の障壁となっている。経済相ライヒェと投資特使ブレッシングは、こうした課題を踏まえつつ「大胆な改革」を進め、投資環境の改善を約束。世界情勢が揺れる中で、ドイツがどこまで競争力を取り戻せるかが問われている。

  3. エネルギー危機2.0の足音
     イラン戦争の長期化と原油高騰が、ウクライナ戦争によるエネルギーショックからまだ完全に復活していないドイツ経済に再び重くのしかかっている。エッセン研(RWI )のシュミット氏は、原油価格の高止まりとガス備蓄の不足が重なれば、インフレ率は一時的に6%へ跳ね上がる可能性があると警告する。折しも今年の足元のガス備蓄率はわずか20%と危険水準にあり、次ぎの冬までに十分な備蓄を確保できないリスクも高まっている。
     エネルギー価格の高騰は化学・鉄鋼といったドイツ基幹産業の競争力を直撃し、製造業の雇用は昨年18万人失われているが、今後もさらに減少が続く見通し。社会保障費の増大で投資余力が削られる中、年金改革や産業構造の再設計といった中長期の課題も避けて通れない。エネルギー安全保障と産業競争力の両立が、今後のドイツ経済の最大テーマとなっている。

【今回のひとこと】
日本の労働市場曰く、
>今年の春闘でも5%前後の賃上げが見込めるが、イラン戦争が引き起こすインフレのせいで、生活苦の解消は微妙な情勢

【ドイツ関連日本語記事】

www.newsdigest.de

【ドイツ経済直近断面】

note.com

【ドイツ駐在サバイバルノウハウ集】

dateno.hatenablog.com

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