【今回のポイント】
・フォルクスワーゲン、雇用維持のため防衛産業に進出
・積極財政による内需に支えられ、ドイツ経済は底堅い
・ドイツ住宅価格の緩やかな回復続くも、金利上昇が逆風
- フォルクスワーゲンの生き残り策:
フォルクスワーゲン(VW)は、防衛産業で活路を見いだそうとしている。現在オスナブリュック工場で2300人が働いているが、現行モデルの生産が2027年に終了するため、長らく「工場閉鎖」が議論されてきた。そうした中、VWはイスラエルの防衛企業 Rafael Advanced Defense Systems と協議を進めており、同社が製造する迎撃システム「Iron Dome」の部品を同工場で生産する案が検討されている。この計画が実現すれば全員の雇用維持が可能で、さらに事業拡大の余地もある。ドイツ政府もこの構想を支持しており、欧州向けの防空システム供給拠点としての役割が期待されている。但し、VWはこれまで「武器製造は行わない」という方針を掲げてきたため、最終的な合意内容は依然として不透明。現在も2027年以降の事業モデルを模索しており、複数の車両コンセプトを検討している段階にある。

- 格付機関Scopeのドイツ経済評価:
エネルギー供給の直接的な影響は限定的とみられるものの、ドイツは一次エネルギーの67%を輸入に依存しており、価格変動には脆弱。加えて、米国の保護主義や中国企業の競争力強化など、外部環境は輸出主導型のドイツ経済に逆風。それでも、戦争が短期で収束する前提では、2026年の成長率は1%、その後は平均1.2%と緩やかな回復が見込める。成長の半分を押し上げるのが、政府の債務財源による大型投資基金と防衛費の増加。これに加え、個人消費の底堅さや建設セクターの回復が、輸出の弱さを補いながら国内需要を中心とした成長を支える構図が鮮明になっている。エネルギー面では、再エネ電力比率が2019年の39.9%から2023年には57.2%へと大きく改善。ガス供給もノルウェーやオランダなど欧州内が中心で、中東依存は限定的。ただし、価格高騰が長期化すれば、エネルギー多消費型産業には再び圧力がかかる。長期的には、高エネルギー価格、官僚主義、労働コストといった構造問題が競争力を削いでおり、政府が進める年金・社会保障改革の行方が成長力を左右する。5000億ユーロ規模の投資基金を実効性ある形で活用できるかが、ドイツ経済の持続的回復の鍵となる。
- ドイツ住宅価格:
ドイツの住宅価格は2025年Q4に前年比+3.0%、通年でも+3.2%と一般的なインフレ以上のプラスを確保。都市部よりも地方の伸びが強い点が特徴で、人口が少ない地域ではマンションが+5.4%と高い伸びを示す一方、都市部では前期比マイナスが目立つ。前期比は全体でも+0.1%しかないため、最近の長期金利上昇(独10年国債利回り3%超)が回復局面に水を差す可能性が高まっている。
【今回のひとこと】
ドイツの労働市場曰く:シニア世代の大量退職を補うためには、毎年40万人の外国人材受け入れが必要。
【ドイツ関連日本語記事】
【ドイツ経済直近断面】
【ドイツ駐在サバイバルノウハウ集】
気に入って頂けましたら、今日の応援(↓ポチっと)よろしくお願いします(1秒で済みます)。
応援クリックは何よりも更新の励みになります。
ご質問などございましたら遠慮なくコメント欄にお寄せください。