【今回のポイント】
・ifo景況指気回復に不安
・ドイツ社会国家改革:専門委員会が改革案を提示
・「China for China」でドイツ企業の対中投資再び増加
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インド×EUの「画期的FTA」が実現:インドとEUが20年越しの自由貿易協定(FTA)でついに合意した。モディ首相はこれを「画期的な取引」と位置づけている。FTAにより、約20億人規模の巨大市場が形成される。米国の高関税に直面するインドにとって、EUとのFTAは輸出先多角化の柱となる。特に繊維・宝飾品・皮革・靴などの輸出産業が恩恵を受ける見通し。交渉の難所だった農業・自動車分野でも妥結に至った点が大きい。EUはすでにインド最大の貿易相手で、2024年の貿易額は1200億ユーロ超。FTAはインドの対EU輸出拡大を後押しする可能性が高い。ただし米国市場の代替にはならず、インドの輸出戦略は引き続き多面的。地政学的緊張が高まる中、インドとEUの連携強化は国際経済の再編を象徴している。

- ドイツ社会国家改革案:政府の専門委員会が、社会国家の抜本改革を求める報告書を公表。目的は、制度の簡素化・効率化・デジタル化を一体的に進めること。申請手続きの煩雑さを解消し、デジタル申請の一本化を提案。Jobcenter と Sozialamt の役割を明確に分離する再編案が盛り込まれた。この再編には憲法(基本法)91e条の改正が必要とされる。行政間のデータ共有を強化し、児童手当の自動支給なども導入する方針。就労インセンティブを見直し、控除額の調整で働くほど得になる仕組みを目指す。Minijob制度は労働時間拡大の妨げとして問題視されている。EU市民の給付アクセスは、より厳格な条件を求める方向で提案。全体として、行政・政治・社会が連携した大規模な制度刷新が必要と結論づけている。
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ドイツ企業の対中投資が再び増加:ドイツ企業の対中投資が2025年に約70億ユーロへ増加した。過去2年の45億ユーロを上回り、長期平均(60億ユーロ)も超える水準。現地生産・研究を強化しないと競争力を維持できないとの判断が背景にある。中国政府の補助金や産業政策が企業の現地化を後押ししている。関税・輸出規制リスクを避けるため「China for China」戦略(中国での需要分はすべて中国内で完結する)が広がる。一部企業は中国から世界向けに輸出する「China for the World」も採用。その代償として、ドイツ国内の投資が減少する懸念が強まっている。補助金で安く生産された中国製品がドイツの輸出を代替するリスクも大きい。特に自動車・部品産業は競争圧力が高まり、雇用への影響が懸念される。EUは公平な競争条件を確保しなければ、欧州産業の地盤沈下が進む可能性がある。但し、上記の対インドのFTAといい、メルコスール協定といい、EUとして着実に米国と中国からの依存脱却の手を打っている点を過小評価すべきでない。
【関連動画】(日本でもあまり進んでいない)対中依存からの脱却
youtu.be
【今夕のひとこと】
>「誤った道」など存在しない。あるのは「自分の道」だけ。あなたが目指すものを徹底的に言語化し、その実現の障害となっているものを特定し、対処しよう。
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