【今回のポイント】
・ドイツ産業連盟は、イラン情勢による過度の悲観を戒め
・ドイツからの米軍撤退(時々浮上)は当面なさそう
・EU委は「Made in EU」規則導入で欧州産業保護強化へ
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ドイツ産業連盟のイラン情勢影響評価:
中東情勢の不安定化により、原油、ガソリン、天然ガスなどのエネルギー価格が上昇しているが、ドイツは中東以外からの調達が多く、量ではなくあくまで価格/コストの問題。ドイツ産業連盟(BDI)は、ドイツの景気やサプライチェーンに対して「直ちに重大な脅威を与えることはない」と冷静に分析。(但し、ドイツ市民の半数はエネルギー供給のボトルネックを漠然と心配している)。
BDIの分析によると、ドイツの産業において生産の要となるのは「天然ガス」と「電力」。原油は主に燃料としての需要が中心であり、生産要素としての重要性は比較的低い。また、現在の状況下において企業が直面するリスクは「物理的な資源不足」ではなく、主に「エネルギーコストや輸送コストの上昇」。BDIはサプライチェーンへの深刻な悪影響も見込んでいない。
- メルツ首相訪米後の記者会見要旨:
今回のメルツ首相の訪米ではトランプ大統領とイラン情勢、ウクライナ戦争、貿易(関税)、NATOについて協議。イラン問題では、聖職者独裁政権の抑圧と脅威という認識で一致。将来を見据え、イランの核プログラム終了や地域安定化、イラン国民の自由な決定を支援する戦略が議論されたが、米国には具体的な文民指導体制の計画がない点を指摘。貿易に関しては、昨年8月の合意より悪い条件での関税をEUは受け入れない姿勢を強調。ウクライナ戦争については、終結の必要性を共有しつつも、プーチン大統領が欧州に受け入れ可能な和平に応じる可能性は低いとの認識。メルツ首相は、モスクワへの圧力強化と、欧州を交渉の場に含めること(「我々の頭越しでの合意は認めない」)を米国に強く要求。NATOに関しては、ドイツによる「欧州の柱」強化への貢献が評価され、米軍のドイツ駐留継続がトランプ大統領から改めて確約された。
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「Made in EU」規則:
EU委が公共調達に導入する方針を固めた新しい「Made in EU」規則は、欧州産業の保護とサプライチェーンの域内回帰を狙うもの。特に自動車、電池、再エネ関連など、日系企業が強い分野では影響が大きくなりそう。
●EU 域内生産が“事実上の必須条件”に
新制度では、EU の補助金・税優遇・公共調達に参加するために、製品の一定割合を EU 域内で生産することが義務化される。
・EV・PHEV:バッテリーを除く部品の 70% を EU 産に
・公共調達:セメント 5%、アルミ 25% を EU 産に
・バッテリー主要部材も段階的に EU 生産義務化
欧州で事業展開する企業は、サプライチェーンの欧州化を加速せざるを得ない。
●但し日本は「Made in EU」扱いの対象国として優遇
ドイツが主張した妥協案により、EU と相互に市場アクセスを認める国(日本・韓国など)は“Made in EU”扱いとなる。日本企業にとって大きな救済措置で、日本からの部材調達が一定程度許容される。ただし、これは恒久措置ではなく、将来見直される可能性がある点に注意が必要。
●中国企業への規制強化が、日系企業に“追い風”となる可能性
EU は、世界シェア 40% 超の国(実質中国)に対し、
・EU での出資上限 49%
・EU 調達比率 30%
・雇用の 50% を EU 居住者 など厳しい条件を課す。
これにより、EV・電池・太陽光などでは中国勢の欧州進出が制限され、日系企業が欧州市場で相対的に優位に立てる可能性がある。
●ドイツの懐疑論
EU産比率の義務化は、調達コストの上昇、サプライチェーン再編の負担、認証・書類作成などの官僚コスト増をもたらす、としてドイツではかなり不評。
【今朝のひとこと】
>イランが内戦状態に陥り、難民がドイツに押し寄せてくるのが心配 — 独シュピーゲル誌
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