
以下の文章は、こちら↓ではなく、2023年の伝記↑の読後メモ
アンゲラ・メルケルの軌跡:アウトサイダーから「防衛の宰相」へ
「三重のアウトサイダー」からの出発
東ドイツ出身、女性、自然科学者という「三重のアウトサイダー」であったことが、彼女の異例の政治的キャリアの基盤となった。
東ドイツの社会主義体制下で「牧師の娘」として生き抜くために身につけた、イデオロギーに左右されない観察眼や沈黙を守る(極力目立たない)能力が、のちの「超実用主義」や危機管理能力へと繋がった。
「コールの女の子」からの自立と巧みな権力掌握
政界入り当初は若くして大臣に抜擢され「コールの女の子」と呼ばれていたが、党の不正献金疑惑が発覚すると恩師コールと冷徹に決別し、自立を果たした
強力な男性ライバルたち(メルツ、コッホ、シュトイバー)の自滅や、自身の先制的な戦術的撤退を巧みに利用して党内基盤を固め、初の女性・東ドイツ出身の首相へと上り詰めた
連続する世界的危機と「危機の宰相」としての采配
彼女の16年間の在任期間は、金融危機、ユーロ危機、難民危機、BREXIT、トランプ対応、コロナ危機といった予想外の世界的激動の連続だった
2015年の難民危機では人道主義から「私たちにはできる(Wir schaffen das)」と宣言して例外的に国境を開放し、国際的な称賛を浴びた。
一方で、難民受け入れは国内において社会の分断や極右政党AfD(ドイツのための選択肢)の躍進を招くという重い代償も払うことになった
「自由世界の最後の防衛者」としての重責
トランプ政権の誕生やブレグジットなど西側の秩序が大きく揺らぐ中、メルケルは国際メディアから「自由世界の最後の防衛者」として持ち上げられ、オバマから続投を懇願された
総括:「変革者」から「防衛の宰相」への転貌
当初は国内の「変革の宰相」として登場しましたが、絶え間ない世界的激動の中で、結果的に自由民主主義や西側世界の秩序を崩壊から守り抜く「保守・防衛の宰相(Kanzlerin des Bewahrens)」となった
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