日独経済日記

「毎日がうまくいく366のヒント」の訳者:今のドイツのリアルをお届けします

20260401 ドイツの雇用、小じっかり

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【今回のポイント】
・ドイツ労働市場は小じっかり/求人増加の兆しも
・配偶者控除方式廃止を巡るタッチーな議論が大荒れ
・ドイツ株に対する投機的株売りが増えている模様

  1. ドイツ雇用統計(3月):
     失業者数は297万7000人、失業率6.3%で横ばい。景気減速の影響を受けつつもシニア世代の大量退職による人手不足が続いており、新規採用には慎重な一方、経営危機でもない限りヒト切りはしないという状態が長期化している。
     国際競争力を失いつつある製造業ではリストラ/解雇が目立つも(大きく報道される)のの、IT・介護・教育などサービス分野では深刻な労働力不足を背景に採用意欲が根強い(ほとんど報道されない)。賃金はインフレ以上の上昇が続いており、労働者の立場が特段弱いわけではない。

    ◆イラン戦争/エネルギー危機2.0で雲行きは怪しくなっているものの、積極財政の本価格/景気底打ちの兆しで企業が慎重ながらも採用を活発化し、求人が増加しつつある(上:残高/下:新規求人)。

     

  2. 配偶者控除方式廃止を巡る議論:
     ドイツでは、夫婦合算課税(Ehegattensplitting)の見直しをめぐる議論が白熱している。クリングバイル財務相(SPD)は、制度が大きな所得差のある夫婦に最大2万ユーロの税優遇を与え、特に女性を「パートタイムの罠」に固定していると指摘し、将来の結婚から制度を廃止すべきだと提案した。一方、Bertelsmann財団の調査では、女性の約半数が「フルタイムに増やしても経済的メリットが小さい」と回答しており、改革により45歳以上だけでも17.5万件のフルタイム雇用が生まれる可能性が示されている。
     これに対し、CDU/CSUは「制度が女性の就労を妨げている証拠はない」「家族の自由な役割分担を尊重すべき」と反対。労働参加促進と家族政策の間で、政治的な対立が鮮明になっている。Civeyのオンライン世論調査では廃止反対派が過半で優勢。廃止実現は政治的に非常に難しそうな情勢。



  3. ドイツ株の投機的ショート急増:
     Handelsblatt紙の独自分析によると、Citadel、Marshall Wace、AQR など大手ヘッジファンドが空売りを急拡大している。DAX6銘柄でフリーフロートの10%超がショートされており、異例の規模。「イラン戦争がドイツ経済に与える悪影響」「エネルギー価格ショック」「景気後退リスク」に注目している模様。
    ◆SENTIX欧州株ポジション指標(機関投資家+個人投資家)も全体としてすでにショート気味になっており、追加の売り余力はさほど大きくないものと思われる。

    【関連動画】

    youtu.be


【今回のひとこと】

Economist誌曰く:中国での昇進競争は、経済成長から習近平への忠誠心にシフトしている。この昇進管理こそが、トップダウンの権力集中と並ぶ習近平の統治手法。


【ドイツ関連日本語記事】

www.newsdigest.de

【ドイツ経済直近断面】

note.com

【ドイツ駐在サバイバルノウハウ集】

dateno.hatenablog.com

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