【今回のポイント】
・ドイツの個人消費は年初弱含み、当面は厳しそう
・配偶者控除方式廃止を巡るタッチーな議論が大荒れ
・日本人がドイツ人と働く際の注意点3つ
- ドイツ小売売上高(2月):
実質ベース(インフレ差引後)季調後(赤線)前月比で1月▲1.1%/2月▲0.6%とイラン戦争勃発前から弱い動き。季調前ベース(青線)で年初反落するのは毎年の季節的パターンではあるものの、前年同月比で+1%割れペースに減速しており、モメンタムを失いつつあるように見える。低成長のわりに雇用は底堅く、実質賃金は増えているものの、今後はエネルギー価格高騰の負担ものしかかってくるので、個人消費には下押し圧力がかかりやすく、ドイツ経済成長のけん引役にはなりそうにない。

2大消費バロメータ(GfK、HDE)も、ずっと冴えない動きが続いている。
- 配偶者控除方式廃止を巡る議論:
ドイツでは、1958年から続く「Ehegattensplitting(配偶者控除方式)」の見直しが大きな政治論争になっている。SPDのクリングバイル共同党首は、この制度が片働き世帯を優遇し、現代の家族像に合わないと指摘。廃止を求める一方、CDU内でも賛否が割れ、AfDやワーゲンクネヒトは「家族への攻撃」と強く反発する。制度は夫婦の所得を合算し半分に割って課税する仕組みで、特に片働き世帯に大きな恩恵があるとされる。タッチーな議論になりやすく、政治的対立が激しいため、今のところ実現可能性は低いとされている。
【IW研究所の試算】年間 250億ユーロの恩恵。そのうち60%が未成年の子を持つ家庭、37%が片働き世帯(220万世帯)。廃止すれば 将来の片働き世帯が最も影響 を受けることになる。 - 日本人がドイツ人と働く際の注意点:
・「結論ありき」を避け「ロジカルな説明」を徹底する
ドイツ人は具体的な事例や結論よりも、まず「なぜそうなるのか」という理論や背景を重視する。提案時には、根本となる論理的枠組みを先に説明し、相手が納得できる根拠を提示することが大切。
・ダイレクトな批判的フィードバックを冷静に受け止める
否定的な意見をストレートに伝える文化であることを理解し、厳しい指摘を個人攻撃ではなく「仕事を改善するための議論」として捉えるべきである。感情的にならず、こちらも論理的に意見を返すことが信頼に繋がる。
・「リレーションベース」ではなく「タスクベース」で信頼を構築する
人間関係の構築(飲み会など)を先行させがちな日本人とは異なり、ドイツ人は仕事の成果や期限の遵守を通じて信頼を醸成する。公私の区別を尊重し、まずは実務においてプロフェッショナルな能力を示すことが最も重要。
【今回のひとこと】
シュピーゲル誌曰く:4年間ロシアからの攻撃に耐え続けてきたウクライナは、世界でも突出した防空ノウハウを蓄積。今や世界中がそのノウハウを欲しがっている。
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