【今回のポイント】
・ドイツ経済省、小規模ソーラー補助金の全面廃止を検討
・鉄道乗務員への暴力急増が(テロ以上に)問題化
・欧州メディア、トランプ一般教書演説をこき下ろし
- 小規模太陽光発電補助金廃止も:
ドイツ経済省が検討する「小規模太陽光発電(屋根上PV)補助金の全面廃止」は、再エネ政策の方向性を大きく揺るがす可能性がある。ライヒェ経済相(CDU)は、25kW未満の家庭用PVに対する固定価格買取制度を廃止する意向を示している。この案が実現すれば、小規模PVの採算性は大きく低下し、導入ペースが急減速する可能性が高い。
問題は経済的影響だけではない。太陽光支援は国民的支持が厚く、政治的にも極めてセンシティブなテーマだ。与党SPDだけでなく、CDU内部にも太陽光推進派が多く、本案は連立内で強い抵抗に直面する見通し。建前上は再エネ拡大を掲げている政府が、実質的には普及を抑制する方向へ舵を切るのではないかという疑念も広がっている。
今回の報道は、ドイツのエネルギー転換が「コスト抑制」と「導入加速」の間で揺れ動く現状を象徴している。補助金廃止が政策転換の序章となるのか、それとも政治的反発で修正されるのか、今後の議論が注目される。
- 鉄道乗務員また乗客から暴力:
ベルリン行きのICE車内で起きた乗務員襲撃事件は、ドイツ鉄道の安全問題が深刻化している現状を象徴する出来事となった。Wolfsburg を出発した列車内で、無効な乗車券を提示した35歳の女性が降車を求められた際、Zugchef(車掌)を殴打。車掌は腹部の痛みを訴えて勤務不能となり、列車は Stendal で運行を中止し、約100人の乗客が途中下車を余儀なくされた。女性は詐欺、住居侵入、身体傷害、器物損壊など複数の容疑で捜査されている。
事件の背景には、鉄道職員への暴力増加という構造的問題がある。2025年には3,000件を超える攻撃が報告され、車掌だけでなく清掃員やセキュリティスタッフも被害に遭っている。2月にはラインラント=プファルツ州で車掌が死亡する事件も発生し、現場の危険性は高まる一方だ。こうした状況を受け、ドイツ鉄道は駅での追加人員配置、ボディカメラ導入、防護装備の強化、緊張緩和トレーニングの拡充など対策を進めているが、現場の不安は依然として大きい。今回の事件は、無賃乗車をめぐる小さなトラブルが列車運行停止にまで発展する脆弱性を浮き彫りにし、鉄道の安全確保が喫緊の課題であることを改めて示した。 - トランプの「一般教書演説」に対する欧州メディアの評価:
欧州各国メディアは、トランプ大統領の演説を総じて「現実との乖離」「外交方針の不透明さ」として批判的に分析している。
現実離れした自画自賛(デンマーク Berlingske)
経済・移民・外交で「勝っている」と繰り返すが、実際には政策的敗北が続いていると指摘。
庶民の生活苦を無視(フランス Mediapart)
経済成長の恩恵が富裕層に偏り、国民の購買力低下を無視していると批判。
同盟国軽視の姿勢(ポーランド Newsweek Polska)
NATOや国際協調への言及がなく、米国が単独行動する世界観を懸念。
ウクライナ・イラン・中国への言及不足(アイルランド The Irish Times)
重要な外交課題を避け、特に中国への言及ゼロは「異例」と評価。
最長演説でも説得力欠如(チェコ Český rozhlas)
選択的な統計を並べても国民の実感とは乖離していると指摘。
民主主義の儀式を破壊(スペイン El País)
演説を党派的パフォーマンスに変え、議会の権威を損なったと批判。
【今朝のひとこと】
>Sound of Music や White Lotus などのロケ地巡り(Set-jetting)が80億ドル規模のブームとなり、欧州でオーバーツーリズム問題化している — Bloomberg
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