日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220421 ドイツコロナ状況アップデート

人口で調整した指標で国際比較(青:ドイツ、黄:日本、赤:英国、緑:オランダ)すると、


①新規感染者数

ドイツの新規感染者数はオミクロン2種による2つのピークを越えて、欧州他国比遅れ気味ではあるものの、着実に改善基調をたどっています。

(水準はまだかなり高いながら)州別に見ても全体的な減少傾向が続いています。

 

②死者数

ドイツの死者数は決して低くはないものの、過去のピークからは大きく改善し、以前のような恐怖/危機感はほぼなくなっています。

Corona Zahlen aktuell: Karte für Deutschland + weltweit (morgenpost.de)

 

コロナ規制の国際比較を可能にする、オックスフォード大「厳格度インデックス」の最近の推移(赤:ワクチン未接種者、緑:ワクチン接種者、黒:両者の加重平均/総合)を見比べてみると、以下のように整理できます。

  • 英国、オランダ:年初の早い時期から大胆な規制緩和に動いた
  • ドイツ:ワクチン未接種者に厳しい措置を維持してきたが、最近ほぼ全面緩和
  • 中国:ゼロコロナ政策継続中で、一部大都市でロックダウン断行
  • 日本:中程度の規制を維持したまま特段動きなし
  • 米国:ワクチン接種ステータスによる格差を維持

COVID-19 Government Response Tracker | Blavatnik School of Government (ox.ac.uk)

 

ドイツが大幅規制緩和に踏み切ってから数週間が経過しましたが、再生産数は1.0割れで安定的に推移しており、再加速に転じる気配は今のところありません。

 

ちなみに国立感染研究所(RKI)の英語版日報トップの重要指標一覧はこのような見栄え(まとめ方)になっています。ポイントは以下2点です。

  • 新規感染はまだ高水準ながらも、医療キャパは圧迫していない
  • ワクチン普及は8割の手前でほぼ止まっている
    (今冬に向けたワクチン義務化の展望も開けていない)

https://www.rki.de/DE/Content/InfAZ/N/Neuartiges_Coronavirus/Situationsberichte/Apr_2022/2022-04-21-en.pdf?__blob=publicationFile

 

また、毎週木曜の夕刻に発表されるRKIの週報(ドイツ語のみ)には、ウィルスの種類のシェアが掲載されており、直近はオミクロンが100%、うちBA2が95.3%となっています。

感染力の強いBA2が更に拡大して新規感染者数を押し上げるような展開はもはや考えづらくなっていると思います。

https://www.rki.de/DE/Content/InfAZ/N/Neuartiges_Coronavirus/Situationsberichte/Wochenbericht/Wochenbericht_2022-04-21.pdf?__blob=publicationFile