現時点で報じられているのは
という規模感ですので、被害総額推計は非常に難しい(誰にも出来ていないの)ですが、フェルミ推計的に見積もると以下のような感じになります。
下図ランキングは対洪水被害保険金支払金額で、
最高額は2002年の46億5千万EURとなっています。
ドイツ語WIKIで調べてみるとこの洪水でのドイツでの被害総額は90億EURだったと記録されています。
https://de.wikipedia.org/wiki/Hochwasser_in_Mitteleuropa_2002
今回はこれをはるかに上回ることが確実視されている(死者数は3倍以上な)ので
最終的な被害総額は、100億EUR単位(この整数倍)というレベル感と思います。
(あくまで私見のドタ勘で、「何もないよりはマシ」レベルの置きです)
①ドイツ経済への影響
やや不謹慎ですが、東日本大震災からの復興が巨大な需要を生んだように、
このくらいの規模になると、生産面でのダメージはほとんどない一方で、
復興需要が今後数年のドイツのGDPを相応に押し上げる効果がある思います。
②選挙戦への影響
・CDUは危機管理、災害対応に長年の実績があり、その観点では国民から最も信頼されている
・結果的に多くの人命が失われて強く批判されているものの政府・与党に明確な落ち度はなさそう
といったことを考えると、うまく対応すればCDU/CSUにやや有利に働くはずでしたが、
「ラシェットの不謹慎な笑い(下添)」「地球温暖化対策への危機感高まり」で
Greenにやや有利(最近の支持低下を数%取り戻す方向)に働くものと思われます。
但し、ラシェットの「笑い」はさすがに致命傷にはならず、Greenの再逆転はないと見ます。
★ラシェットの不謹慎な笑い
ラシェットが水害被災地をシュタインマイヤー大統領と帯同訪問した際に起こった事件。大統領がスピーチしている間に、その遠くの後ろで談笑・大笑いしているところがビデオに映りこんでしまい、Twitterを中心に「次期首相にふさわしくない」「CDU/CSUはもうたくさんだ」と炎上しています。今後の世論調査への悪影響を注視する必要があります。