日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20211006 NRW州首相としてのラシェットの後任が決まりました

CDU党首兼首相候補としてドイツ総選挙で惨敗を喫したラシェット氏は、ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州の州首相でもあるのですが、この度この州首相としての後任に、へンドリック・ヴュスト氏が決まりました。

彼は現在NRW州の交通相なのですが、60歳のラシェット氏に対して46歳と若いので、NRW州政府として大きな若返りを実現し、来年5月の州議会選挙に向けてCDUの立て直しに注力することになります。

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Hendrik Wüst - Wikipedia

 

連邦レベルに目を向けますと、GreenとFDPが(当然のことながら)まず第一党であるSPDとの連立交渉(信号機連立)を先行させることを決めたので、ラシェットとしてはその交渉が行き詰まってジャマイカ連立のチャンスが巡ってくることを待つしかありません。

そうやって待っている間にも、彼の辞任(党としての人事刷新)を要求する声がますます高まりそうですが、彼の辞任は現時点でわずかに残っているジャマイカ連立の可能性を完全につぶすことを意味するので、ラシェットがとどめを刺されてしまうのはもう少し先(信号機がほぼ確実にうまくいきそうになった時)になりそうです。

今回ラシェットは、中央政府の首相を目指す自分がいつまでも地元州政府の首相を兼務しているわけにはいかないということで、自ら退路を断ちました。CDU党首を辞任させられた場合でも、もうNRW州首相には戻れないので、単なる1国会議員に甘んじるか、政界を引退するか、の2択ということになります。

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アルミン・ラシェット - Wikipedia