日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20211031 ドイツ GDPのセクター別シェアと2つの特徴

  • ドイツ製造業がGDPに占めるシェアは1/4程度と高めです
    (日本2割、米国1割、中国4割程度)。
  • ドイツの2020年のGDPは前年比▲4.6%と大きく落ち込みましたが、GDPシェアでは、製造業(除く建設)、交易/運輸/宿泊/飲食で減少公共サービス/教育/医療、情報通信、不動産で上昇しています。まさにイメージ通りのシフトです。
  • コロナ影響でも現場が止まらなかった金融(銀行、保険)のシェアは3.9%で横ばいとなっています。

 

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ちなみに、IMFの直近世界経済見通し(WEO)のGDP予想は以下の通りで、先日報じられた通りなのですが、

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こちらのデータベースの中には、マクロ主要計数に対する2026年までの長期予測が掲載されています(コロナ後一時更新が止まっていたのですが復活してました)。

World Economic Outlook Database: October 2021 (imf.org)

 

これを見る限り、ドイツ経済で特筆すべきは以下2点と思います(赤線:ドイツ)。

 

①一人当たりGDP購買力平価ベース)

日本同様、戦後奇跡的な経済的躍進を果たしたドイツは、日本と違って今でも強めの成長モメンタムを維持しており、分配の原資を成長で確保できているように見えます。

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②経常収支(対GDP比)

Made in Germany の圧倒的な国際競争力を背景に、貿易黒字が大きいため、経常黒字も近年GDP比6%超を常に維持しています。トランプ前米大統領がもし再選されていれば、今頃結構叩かれていたと思います。

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潜在成長率はコロナで低下気味とはいえ、それでも1%超あります。
何とも羨ましい限りです。