コロナが始まってからこの2年間、会社のリスク管理(と自衛)の観点から毎日朝夕ドイツ国立感染研究所(RKI)の公式データをフォローしているのですが、本日結構珍しいことが起きていたのでご紹介します。
感染者一人あたり何人の新たな感染者を生み出しているかを示す「実効再生産数」は、ヘッドラインにはなりにくいですが、感染拡大のモメンタムを測るうえで重要な指標です。ドイツでは7日移動平均(7-day R-value)という形でモニタリングされており、RKIの日報などにも掲載/公表されています。
昨日のRKI日報では下図のようにじわじわ上がってきていたので、私としては
「1.0に近づいてきたからそろそろ気を付けないといけないかな」
程度に思っていたのですが。。。。。
今朝数値を確認したところ、過去にさかのぼってデータが大幅に上方修正され、足元1.09に跳ね上がっていたのでびっくりしました。
イースター休暇(検査を受ける人も結果を出す人も休みで激減していた)のため過小評価されていた分が本日まとめて修正されたということで、短期的には逆に過大評価になっている部分があるかも知れません。
しかし再生産数(R)の過去の推移を見ると、1.0の上と下を波のように行ったり来たりしており、一度1.0を上回ると1か月程度はその状態が続いています。
ひとりの感染者が1.09人(1割増)の新規感染者を生むのですから、新規感染者総数はこれまでのように減るのではなく、今後1か月くらいは増加し続けそうだということになります。
ヨーロッパ全体で見ると、新規感染者数は下図のように着実に減少に向かっているのですが、ドイツは人口10万人/1週間当たり909人(0.909%)と欧州第4位の高となっています。これがしばらくは更に上昇するという残念な展開になりそうです。
Corona Zahlen aktuell: Karte für Deutschland + weltweit (morgenpost.de)
ドイツのコロナ規制は今や日本より緩くなっていますので、新規感染増加局面は結構長引くかもしれません。
COVID-19 Government Response Tracker | Blavatnik School of Government (ox.ac.uk)
会社におけるリスク管理としては、世の中が緩んでいる分なおさら、
- オフィスにウィルスを持ち込まないことを徹底する(毎回セルフテスト 等で陰性を確認する/少しでも症状らしきものがあれば在宅勤務で様子を見る、など)
- オフィスではマスク着用やソーシャルディスタンスなどの基本動作を(緩めずに)しっかり守り続ける
ことが重要なのではないかと思っています。