ドイツ政府(連邦経済省)の経済予測は、世の中の後追いなので、市場の材料となることはまずありませんが、本日発表分はウクライナ危機の最新情報を勘案した予測になっているということもあるので、ポイントを整理しておきます。
BMWK - Frühjahrsprojektion 2022
<主なヘッドライン>
2021年 2022年 2023年
実質GDP +2.9% +2.2% +2.5%
名目GDP +6.0% +6.3% +5.2%
経常収支(GDP比) 7.4% 5.7% 6.6%
インフレ率 +3.1% +6.1% +2.8%
賃金 +3.8% +5.2% +4.0%
失業率 3.3% 2.8% 2.8%
可処分所得 +1.9% +4.8% +4.6%
貯蓄率 15.0% 10.9% 10.5%
個人消費 +3.1% +5.8% +2.5%
<私なりのコメント>
- 実質GDPの1月比大幅引き下げ(+3.6%⇒2.2%)がヘッドラインとなっているが、成長実感としての名目成長は今年+6.3%と非常に高い
- ユーロ安環境下、高水準の(貿易黒字と)経常黒字は維持される(トランプなら噛みついてきてもおかしくないところ)
- コロナにウクライナ危機が上乗せされたという危機感でセンチメントは悲観的になっているが、雇用はタイトで賃金大幅上昇必至
- 加えてコロナで急伸した貯蓄がリベンジ消費で放出されるため、今年の個人消費はメチャ強い
- 最大のリスクはロシア産天然ガスの輸入ストップ。さすがにそうなると、上記のように強いベースがあってもマイナス成長に転落する可能性が高い
ちなみに日本語ニュースではこのような感じで(軽めに)報道されています。