ドイツ連銀(Bundesbank)が、ドイツの代表的経済指標を「彼らが見ている形の」グラフで随時アップデートしてくれていますので、大変便利です。
現在の断面を全身をボディスキャンするようなイメージで確認しておきます。ドイツ連銀が個別に解説してくれているわけではないので、コメントは私独自のものになりますのでご了承ください。
①実質GDP(2015=100としたインデックス)
~コロナ直後の大きな落ち込みから急速に回復しているものの、
昨冬以降、オミクロン、ウクライナ危機、中国ゼロコロナのせいでやや失速
インフレで食われていることもあり、コロナ前の水準を回復し切れていない
②製造業受注(上)/建設受注(下)
~ともにまずまず堅調
特に製造業受注残は月商の8か月分と過去最高の積み上がり
③鉱工業生産
~コロナ直後の大きな落ち込みから急速に回復した後、
サプライチェーン障害、原材料不足等で受注比ずっと弱目
⇒受注残積み上がりにつながっている
④実質小売売上
~一部リベンジも出て堅調だったが、
ウクライナ危機とインフレで最近伸び悩み
⑤インフレ(青:輸入物価、橙:生産者物価、黒、消費者物価)
~川上から強烈な物価上昇圧力、ピークアウトの感触まだなし
⑥就業者数(上)/失業者数(下)
~非常に堅調、人手不足気味、軟化の兆しなし
⑦労働コスト
~日本と異なり、インフレよりやや上(2~3%)で着実に上昇
⑧貿易収支(橙)/経常収支(緑)
~コロナ後やや軟化も、両方で比較的大きな黒字を維持
⑨銀行貸出 企業向け(緑)/家計向け(赤)
~ともに安定的な伸び(特に住宅ローン)
⑩財政 債務比率(黒)/財政収支(赤)
~コロナの大盤振る舞い後でも債務GDP比70%と超健全
最近はインフレのおかげで税収激増
なお、マーケットプライスを含むより広い指標を、より長期かつリアルタイムで分析なさりたい方は、こちら(Tradingeconomics、英語、ドイツ以外のどの国でも可能)をご活用ください。
Germany Indicators (tradingeconomics.com)
例:CPI~5月も続伸が予想されています