ドイツの有力シンクタンク、IW(ドイツ経済研~ifoやDIWなどの5大研からは外れている)から先週末直近経済予測が発表されているのでそのエッセンスをご紹介します。
国内機関としては初めて、今年の実質GDP2%割れの予測ということでメディアの注目を集めました。
それでも「スタグフレーション」というにはほど遠い、しっかりとした成長軌道(下グラフ)となっています。
2021年 2022年 2023年
実質GDP 2.9% 1 .75% 2.75%
CPI 3.1% 6% 3%
失業率 5.7% 5% 4.75%
財政収支(GDP比) ▲3.7% ▲2.5% ▲1.25%
(予測部分はドイツによくある1/4刻みとなっている点に注意)
●内外有力機関のウクライナ危機影響度分析一覧
(ベースライン比2022年GDPの落ち込み幅)
ユーロ圏は▲0.9~▲2.1%となっており、マイナス成長への転落には距離があります。
●ドイツ大手行CPI予測一覧(意外と価値あるかも):
平均値は今年6.1%、来年2.6%となっていますが、ポストバンクは今年8%。バイエルン州立銀行は7.1%とかなり悲観的です。
●ドイツ製造業の業種別生産推移(2019Q4=100)
全体にコロナ後の戻りが鈍くなっていますが、特に自動車(黄土色)の不振が目立ちます。
●コロナ終息で労働時間は昨年1349.3時間、今年1352時間、来年1359時間と増える予想となっています。
1人当たり、1時間当たりのGDP(生産性)は、今年+0.25%、来年+1.5%とかなり低いので、大幅な賃上げは適切でないと主張しているようにも見えます。