日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20020709 ドイツ2QGDP(7/29速報発表)は前期比小幅マイナスになりそうです(Q1は+0.2%)

ドイツ連銀は直近(6月の)ドイツ景気予測で、今年前半の低成長/ゼロ近傍
(下の棒グラフ、右側の太白線の右)をもともと覚悟していましたが。。。。

 

7/29速報発表のQ2GDPについてマイナスの市場予測が出始めています(ここではTEF予想が前期比0.3%)。

 

https://tradingeconomics.com/germany/gdp-growth

 

ドイツの総合PMIもゼロ近傍を示唆しています。

https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/16244064c2654baf9b09dddd696bca99

 

 

ドイツ連銀の週次経済活動指数(WAI)は前期比+0.2%とプラスを示唆していますが。。。。

https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex

 

 

ドイツ経済省のNOWCAST0.5%とかなり弱めになっています。

https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2022/07/16-konjunktur-BIP-nowcast.html

 

ちなみにドイツ連銀(BUBA)の金融監督担当理事はこちらのProf. Dr. Joachim Wuermeling氏ですが。。。

 
昨日(7/8)のハンデルスブラットインタビューで以下のように発言しています:
  • 金利上昇はドイツ銀行セクターにとって中長期的には確かにプラス
  • しかしインフレ、金利急騰、戦争、コロナ、人手不足など、こんなに逆風が重なったことは自分の人生でも経験がない
  • 特にロシアのガスが止まると不良債権は急増しうるしたがって短期的には(とくに脆弱な銀行にとって)マイナスが先行する可能性が高い
  • 銀行はこういったリスクを過小評価しているように思えてならない 
 
確かに最近欧州銀行株は軟調です(以下はドイツ銀とコメルツ銀)。
 
コロナ後のドイツの潜在成長率は年1%を割れていると言われており、そもそも四半期毎に(日本と同様)マイナスが出やすくなっています。
上記に言及されていないリスクとして他にも、中国経済急減速、半導体ブーム終焉、サプライチェーン障害長期化、世界経済ブロック化(西側VS中露)など、懸念材料山積ですので、景気の下方向への警戒を解除するのは当面非常に難しそうです。