日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230307 気候変動によるドイツの経済損失試算結果

気候変動(異常気象)により2050年までにドイツで発生する経済損失(最悪シナリオ)

 建物・インフラ4700億EUR、貿易1900億EUR、農業1600億EUR林業1000億EUR

https://papers.gws-os.com/gws-researchreport22-2.pdf

 

ドイツ経済省から、生態経済研究所(IÖW)、Gesellschaft für Wirtschaftliche Strukturforschung(GWS)、Prognos AGへの委託により実施された気候変動/異常気象によるドイツの経済的損失の見積もりに関する研究結果が発表されました。ポイントは以下の通りです。

  • 地球温暖化のドイツにおける影響は、豪雨、洪水、熱波、干ばつなどがメイン。そのリスクは増大し続けている。
  • 2000年以降、ドイツで発生した異常気象による経済損失は1450億EUR
  • 2022年から2050年の間の追加経済損失発生見込みは、2800~9000億EUR
  • 被害のすべてが数値化できるわけではない。暑さや洪水による死者、生物多様性の喪失/生態系の変化、各種健康被害、社会不安などもこれとは別に発生する。
  • 気候変動対策には巨額の投資が必要になるが、こういった被害を防いだ方が経済的にも利益になる(コロナ、ウクライナ対応で気候変動対策がずっと後回しになっていたので、「そろそろ本腰を入れたい」というドイツ政府の意向が感じられます)。