日独経済日記

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20230426 フォルトゥナ・デュッセルドルフ「試合チケット完全無料化」についてのドイツメディアの報道ぶり


fortunafueralle.de

 

デュッセルドルフの地元サッカーチーム(ブンデスリーガ2部)「フォルトゥナ・デュッセルドルフ(田中碧やアペルカンプ真大が所属)」が「チケット完全無料化」プロジェクトを打ち出して話題になっています。

当該プロジェクトの概要とドイツメディアの報道ぶりについて以下整理しておきます。

 

<プロジェクト概要>~サステナビリティに絡めて企業スポンサーを巻き込む

  • 名称「Fortuna für alle」(フォルトゥナ~幸運という意味もある~を皆に)
  • スポンサーのサポート(5年、計45百万EUR)を基礎的財務基盤として、ホームゲームの試合チケットを無料にすることを目指す。
  • スポンサー企業4社(今後増やしていく必要あり)。

【7/21追記】保険会社Provizialは。個人データ利用が予想外に厳しい(ビジネス上のメリットが乏しい)ということで離脱。

  • できるだけ多くの人々にサッカーを楽しんでもらいながら、フォルトゥナファンを増やしつつ、1部リーグへの復帰を促進する狙い。
  • 来期はとりあえずホームゲーム3試合の無料化からスタート。
  • いずれはホームゲーム17試合全部の無料化を目指す。
  • VIPエリアのパッケージは引き続き販売され、シーズンチケットやメンバーも優先される。
  • 無料チケット(ビジター客も対象)はオンライン登録者が対象。応募者多数の場合には抽選。デジタルプラットフォームはこれから構築。
  • 収入の半分は、ユースチームや女子チームの強化、デジタル化推進、デュッセルドルフ市スポーツイベントとの協力などの社会的サステナブル事業に投入する(各2割/2割/1割)。
  • 選手、マネージャー、役員、クラブ、その他の利害関係者は収益の1%以上を社会的および環境的持続可能性イニシアチブに寄付する仕組みも整備する(スポンサーのCommon Goalが進めているもの)。
  • その他細かい仕組みは走りながら考えつつ整備・修正していく。

Fortuna Düsseldorf 1895: Japan-Desk

 

<ドイツメディアの報道ぶり>

  • ドイツサッカー界初の革命的出来事
  • なかなか1部に復帰できず、そろそろ大胆な手を打つ必要に迫られていた。
  • フォルトゥナの平均観客動員数は約2万9千人で2部リーグ5位。観客集めはかなりうまくいっている方だが、満員になることが少ないのも確か(スタジアム収容人数は54,600人)。
  • スポンサーのサポートがしっかりしていれば、読みづらくかつ減少傾向にあるチケット収入(や放映権料)に依存するよりはクラブの経営が安定する。
  • 現時点では(更にスポンサーや寄付が集まって)うまく行くかどうかわからないので、他チームは「お手並み拝見」モード。
  • 地元ファンからのチケット収入はプロサッカービジネスのコア収入であり、それを放棄するのは大変なこと。
  • インフレに苦しみ、チケット代の値上げを迫られているクラブには面白くない(値上げしにくくなって迷惑な)話かもしれない。

 

<日本語ニュース例>

news.livedoor.com

 

<チームの日本語WIKI

ja.wikipedia.org