ハリス米副大統領が11月の大統領選を共に戦う副大統領候補に、ミネソタ州のティム・ワルツ知事を指名したことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り:
- 同類で固めた共和党と異なり、ハリスは自分を補完する人物を選んだ。
- ワルツは派手なキャリアの政治家ではないが、多くの人々の共感を集めることが可能な激戦州出身者。現実的で賢明な選択だ。
- ワルツはトランプとヴァンスを「変人」と表現している。シンプルかつなかなか巧妙なレッテル貼り作戦であり、民主党内で広がりを見せている。
- ワルツの最大の魅力はその人間性にある。常に上機嫌で人懐っこい現実主義者であり、彼なら絶望的に分断された米国を再び団結させられるかもしれない。
- ワルツ知事は、ミネソタ州内に民主党の古典的価値観を根付かせることに成功している。ハリスはアメリカ全土にこの手法を展開するつもりのようだ。
- ワルツは有能な副官としてハリスを飛躍させられるかも知れない。新たな支持層を獲得しつつ、ハリスが言いづらいことをうまく言ってくれるだろう。
- 中西部ミネソタ州のティム・ウォルツ知事は、確かにドイツはおろか、全米ベースでもそれほど知名度が高いわけではない。
- しかし知事としてはかなりのやり手であり、彼の人懐っこさや柔らかな物腰、明晰な言葉には根強い人気がある。
- 彼ならミシガン州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州などの選挙で決定的な州の労働者階級の白人有権者(トランプに投票しがちな人々)に確実に語りかけることができそうだ。
- 民主党の2人の正副大統領候補は、今後彼らが具体的に何をどうしようとしているのか(政策、ビジョン)を明確に示してゆかなければならない。
- 過去の実例を見る限り、副大統領候補が大統領選をそれほど大きく左右するわけではない。
- しかし圧倒的に劣勢だったバイデン撤退からごく短期間で、民主党は共和党とほぼ互角のところにまで押し戻すことに成功した。
- 勢いをつけるには、まず「激戦州」を巡る共同ツアー、次にシカゴでの党大会が重要だ。
- 共和党はワルツ氏の左派的な実績を標的にして攻撃してくるはず。同氏を「危険なほどリベラル」、正副大統領ペアを「共産主義チーム」とレッテル貼りしている。
- 2020年にミネソタ州で起きたジョージ・フロイド氏の警官による殺害後の騒乱への対応や、同州で実施されたコロナ対策規制も攻撃対象になりうるが、こうした攻撃が効果的かどうかはまだ分からない。
- 一部にはペンシルベニア州知事のシャピロ氏の方が良かったのではないかという意見もある。
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