日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20210628 独英ハイブリッド対応のススメ

外国語を習得するためには、3,000時間もの学習時間が必要と言われています。

 

日本企業の駐在員の海外派遣期間が仮に5年間とすると、毎日100分欠かさず勉強して、ようやく帰国時にこの3,000時間に達します。

 

従って、赴任期間中にその国の言葉をゼロからマスターするというのは、意気込みとしては大変立派ですが、あまり現実的とは思えません。

 

留学生ならともかく、駐在員は日々の仕事をしっかりこなさないといけないので、そんな時間があるのであれば、仕事で使う英語のレベルを高めるための勉強に投入すべきと思います。

 

そこで私が日本企業のドイツ駐在員にお勧めしたいのが、独英ハイブリッド対応です。

 

私たちは、カタコトでも日本語をしゃべってくれる外国人には強い親近感を感じます。

 

同じような効果が、片言のドイツ語をしゃべれるようになることで実現できます。

 

これが世界標準言語の英語となると、そうはいきません。カタコトの英語では能力が低いとみなされてしまうだけでしょう。

 

そこで、ドイツで働く日本人駐在員にお勧めしたいのが、以下のようなハイブリッド対応です。

 

①ドイツ語は「できるようになる」ことを目指すのではなく、職場の会話で最初と最後によく使うフレーズだけ「丸暗記する」。これをドイツ人同僚との会話の最初と最後に活用することによって、「ドイツ好きでドイツ語を勉強中の日本人」としての好感度だけをGETする。


②仕事自体は英語でこなす(英語でのファシリテーションやエレガントなEメールの書き方などをしっかり勉強し、磨いておく)。

 

なお、ドイツ語圏は、英語になっていない優良コンテンツがあふれる世界ですので、ドイツ語力が上がれば上がるほど、こういったコンテンツへのアクセスが容易になり、格段に世界が広がります。

 

有益なドイツ語情報に「あたり」さえ付けられれば、あとはWEB翻訳で英語や日本語に倒せば何とかなりますので、上記①の次に目指すレベルは、ドイツ語全般的に「できるようになる」ことではなく、


③自分が欲しいキーワードをセンス良くドイツ語でGoogle検索に投入できる能力を磨くこと。


だと思います。

 

ドイツ語で、読む、書く、聞く、話すをすべて「できるようになる」のはホントに大変です。そんなことを目指すのは英語だけにして(②)、ドイツ語はまず①、次に③を目指す、という節約ハイブリッドアプローチをお勧めします。