日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220215 ウクライナのドイツ企業のリスク管理

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ロシア/ウクライナ情勢の緊迫した状態が続いていますが、ウクライナ自体からは

  • 「ロシアは常にこれくらいウクライナを圧迫しており、今が特別ではない」
  • 「西側諸国は、不必要にロシアを挑発/刺激している」
  • ウクライナ国民をいたずらにパニックに陥れるようなことはやめて欲しい」
  • 「そんなに煽るくらいなら、早くNATOに入れてくれるなり、軍を派遣するなりして我々を守ってほしい」

といった声が多く聞かれ、外から見ている私たちより、ロシアによる軍事侵攻のリスクをかなり低く見積もっています。ちなみに私たちには五分五分くらいの確率で、ロシアがウクライナ東部への軍事侵攻(ミサイル+空爆+サイバー攻撃⇒陸軍侵入)がありそうに見えています。

 

ウクライナには、自動車、エレクトロニクス、農業、貿易、IT関連を中心に、約2000社のドイツ企業が進出しており、5万人の雇用を創出していると言われています。ドイツとウクライナの間の貿易の規模はそれほど大きくなく、ドイツからの輸出が46億ユーロ、輸入が23億ユーロ程度です。

 

ウクライナ国内のドイツ企業も、ウクライナ国民同様、ロシアによる軍事侵攻のリスクはそれほど高くないと見ているようですが、リスク管理として以下のような手を打っている模様です。

  • ウクライナの西の方に拠点があれば、業務や人員をそちらにシフトしておく。
  • 万一の際は地続きの国境からすぐ脱出できるように段取りしておく。
  • ドイツ人幹部はドイツ政府からの退避勧告が出ているのでやむなく出国しておく(万一の際、保険に入っていても保険金が下りなくなってしまうので。)