今週のWirtschaftswoche の特集記事(掲題)の内容をごく簡単にまとめておきます。非常に厳しい評価となっています。
①戦争
- ショルツ首相はプーチンのウクライナ侵攻前に外交でいろいろ奔走したものの、戦争開始は結局止められなかった。
- ウクライナ戦争勃発後「ターニングポイント」宣言で、軍事積極方針に転換。
- 大きな予算はつけたもののうまく使われておらず、ウクライナへの武器提供の影響もあって、ドイツ国防軍の防衛力はボロボロの状態。
- レオパルト2でブレークスルーを実現して好評のピストリウス新国防相の手腕に期待するしかない。
- ずっと昔からEUは域内共通の外交と防衛の実現を目指しているが、全く機能していない。
②エネルギー
- ハーベック経済相は、ぎりぎりまでロシアのガスを買い溜めておきながら(これが彼の最大の功績)、LNG(供給+ターミナル)確保にも奔走した。
- 出身母体であるGreenの主義に反して原発や石炭の活用にも踏み切った。
- 太陽光と風力はここからすさまじく増やす計画になっているが、実現できるかとどうかは大いに不安。
③中国
- 対中戦略見直し(対中依存を国家としてシステマチックに減らすことにより、ロシアと同じ轍を踏まないようにする)はいまだに作業(調整)中で、具体化できていない。
- 対中依存を引き下げるため、EUとしても貿易・投資協定の拡大が急務だが、メルコスールやASEAN相手の交渉は全く前進していない。
- そうこうするうちにバイデンもトランプ並みに「米国ファースト」化している(いくつかの欧州向け投資案件が米国に横取りされつつある)。
<ドイツからウクライナへの軍事物資提供(1月末まで累計、含む約束ベース)>