日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220830 ドイツGDPのマイナス度合いモニタリング

当ブログで既に何度かご紹介していますが、毎週月曜夕刻(ドイツ時間)にドイツ連銀(中央銀行、ECBのドイツ支店に相当)が、ドイツのGDPの動向をリアルタイムにつかむためのインデックスを公表してくれています。

ドイツ(欧州)のマイナス成長度合いが注目を集める中、当面こちらのリンク先にある「週次経済活動指数(WAI)」のグラフと数字をフォローする価値は相応に高いと思われます。
Weekly activity index for the German economy | Deutsche Bundesbank

 

四半期GDPの前期比上昇率を当てることを目的としている割に水準の予知能力は正直イマひとつ(右チャート)なのですが、GDPの方向性はしっかり早めかつ正確に追えているので、少なくともそういうものとしては十分使えると思います。

現時点でWAIが示している2022Q3GDP(10月末発表予定)は「前期比▲0.2%ペース」となっています。今後マイナス圏がいつまで続くのか、マイナス度合いが悪化しているのか/改善しているのか、などを監視するのに使うのがよろしいかと思います。

 

現時点でのWAIの構成要素は以下の8つとなっています(予測精度改善のため、時々他の要素と入れ替えられています)。

  ①電力消費量、②トラック運送量、③世界フライト数、
  ④失業/⑤操短/⑥政府支援-のグーグル検索数、⑦街の人出、⑧大気汚染

  
  Methodology | Deutsche Bundesbank

 

ちなみにドイツ経済省が毎月下旬に発表しているNowcast(モデルの詳細は不明、こちらもWAI同様あくまでご参考で、政府公式予測ではない)では今年第3四半期(7-9月)の実質GDPは前期比▲0.6%(下図のインデックス値は▲0.7%ですが、WAI同様GDPと少しずれるようです)とやはりマイナス予想となっています。

https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Infografiken/Schlaglichter/2022/09/14-konjunktur-bip-nowcast-download.pdf?__blob=publicationFile&v=4